隣にあるデスクをちらりと盗み見てキーボードを力強く叩いた。おじさんはその音にびくりと反応して僕を窺うように見た。





「なんです」
「いや、なに怒ってるのかなぁって…」
「こっちの問題です!」





そうこれは僕一人の問題だ。いやおじさんも関わってはいるがわざわざ言う必要もないので更に力強くキーボードを叩いた。キーボードは悲鳴を上げるかのように音を立てて文字を打ち込む。なぜ僕が怒り狂っているのか、それは3日も連絡がなく久しぶりに会ったと思えばオフィス前で綺麗な女性とおじさんが話していたからという勝手な嫉妬にしかすぎない。それでも腹が立つのだからしょうがない。





「…休憩してきます」
「ちょ、バニーちゃん!」





突然隣のデスクから手が伸びて腕を掴んだと思ったらそのまま引かれてキスをされる。それはほんの一瞬の出来事だったけれど自分にはすごく長い出来事のように感じた。それほどこの人から与えられる何かを待ち望んでいたようだ。





「な、にするんですか」
「機嫌取り…?」
「そんなので機嫌が直るわけないじゃないですか!」





ばんっと力強くデスクを叩いた。おじさんはあーとか変な声をだして頭をかいている。なんにもわかってないおじさんに腹が立ってしまい口を開いた。





「べっ、別に僕はあなたが女性と会話してたからって嫉妬なんかしてないし3日間も会ってないのに普通な態度取られたからって機嫌悪いわけじゃないですから!」
「え、バニーちゃん…」
「あなたの事なんかぜんっぜん考えてないんですから!」
「ちょ、デレが過ぎるぜバニーちゃん!!!」





ぐわぁっとすごい勢いで抱き着かれて驚いて身体を後ろに引くと何かにぶつかって床に倒れ込んだ。





「ちょっと!おじさん!」
「可愛いなぁバニーちゃん」





でれっとした表情でよしよしと頭を撫でてくれるおじさんにとりあえずぎゅっと抱き着く。別に抱きしめてくれたのが嬉しいわけでもないしただ単に目の前におじさんがいたから抱き着いただけ。





「は、離してくださいっ」
「え、離れていいの?」
「だめですっ」





さらにでれーんってした顔になったおじさんを強く抱きしめて離れられないようにする。3日分の充電をするつもりでぎゅーってした。別に僕はツンデレなわけではないです。ちょっと素直じゃないだけです。









僕の態度はちょっぴりコールド!













110531
途中からおじさん目線で書けばよかったと後悔した
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