そんなこんなでやってきました。
明日からゴールデンウィーーーー―ク!!!
休みは何をしようか。
この前買った某乙ゲーの新作でもやろうか。
なんたって日向先生攻略できますし、ね。
「なまえ、聞いてたのか?」
目の前の赤司様はすこぶる機嫌が悪そうな顏で、正座している私の太ももに足を踏む。
『痛い痛い痛い。』
そう、今は部活終わりのミーティングなう。
朝から学業に励み、放課後練習みっちり4時間。そりゃあ誰でも眠いでしょう。
緑間から配られたプリントを握りしめながら、半分夢の世界で半分は妄想の世界でGWの予定を立てていた。
「お前は明日から休みだと思っているだろう。」
『ええ、世間は最大10連休だとか。まぁ学生なので4連休ですが。』
「ああ。そして帝光中学校バスケ部マネージャーのお前は連休など関係ないからな。」
......ん?
『いやいや、そんなん急に言われても「予定なんてあるのか?」....ありま、す。』
「じゃあ言ってみろ。」
助けを求めるように周りをみるが緑間にいたってはラッキーアイテムのうさちゃんの頭を撫でているし、黒子っちは本を読んでいる。
黄瀬は相変わらず黒子にべったりで、むっくんは指にとんがりコーンをはめて遊んでいる。
青峰は.....爆睡、だ。
『ちょっと!!青峰っちこそ爆睡してるじゃん!!』
「それとこれとは別だ。」
『いやいやおかしくね?!!』
「おかしくないよね?」
と周りに同意を求めるように辺りを見合わすとキセキの世代以外のメンバーが勢いよく頭を縦に振る。
「俺の言う事はー?」
「「「「「ぜったーい!」」」」」
100人以上の声が綺麗に重なった。
『....理不尽だ。』
「ああ?」
『イエナニモ。で、休みが無いってまじなんですか。』
「ああ、正確に言うと全くないわけではない。最終日は昼までだから、半日休みがある。」
『半日で日向先生攻略しろと。』
「は?誰だ日向って。」
『私の二次元の中の嫁です。それより半日って休みって言うんですか。』
「そんなに部活に出たいのか?それなら最終日も一日練習にしてやってもいい。」
と赤司くんが言うと周りから冷や汗が出るようなきつい視線を浴びる。
「...冗談だ。とにかく部員全員、手元にあるプリントにスケジュールが書かれているからよく目を通しておくこと。マネージャーは相談して仕事を分担しろ。くれぐれも、くれぐれもサボるな。そこの二人とかな。」
『青峰っち。なんだか視線を感じるナリよ。』
「はぁ?お前だけだろ馬鹿。」
「お前ら馬鹿二人だ。」
赤司は一番前にいる青峰となまえと指差した。
『なっ!..青峰っちは分かるけど何で私?!サボったことないし!』
「この前コンサート行っていた馬鹿はどこのどいつだ。」
『あ。』
「自分で墓穴掘ってどうするのだよ。」
『うるせーメガネ。』
「なっ....おい赤司。こいつにだけは特別メニューはどうだ。俺が作ってやってもいいのだよ。」
「ああ、それは名案だね。じゃあなまえのメニューは...「もうやめてください。赤司くんも馬鹿達に構わないで早くミーティングを終わらせましょう。」...ああ、そうだな。」
『黒子っち今さりげなくdisった。』
「じゃあ早速だが明日もいつもの土日練習のように朝9時半に一軍から三軍全員、第一体育館に集合だ。今日は以上だ、解散。」
そう言うと顔を青くしながら帰宅するものが大半だった。
赤司は先生の所に予定表を持って向かっていった。
『あーお腹すいたー。赤司くん話長いんだもーん。ま、耳と目の保養にはなりますけどね。』
と桃ちゃんの肩にうなだれる。
すると赤司くんに聞こえてたのか、遠くからスリッパが投げられ、上手に避けると後ろにいた緑間っちの頭にクリーンヒットした。
「そうだねー、もう6時だし...あ!じゃあ駅前のドーナツ屋さん行かない?」
『お!いいねいいね!最近出来たんでしょ、あの店。ずっと気になってたんだよねー。』
評価はネットやツイッターで良く、気になってはいたが現実にあまり友達が存在しないなまえは行く機会がなかった。
「俺も行く〜。なまえ、この前みたいに奢ってくれるよね?」
紫原は目の前に立つなまえに上目使いをする。
『くっ....私は屈しない屈しない..。よし分かった。お姉さんが奢ってあげよう。』
「わーい。」
紫原はなまえをぎゅっと抱きしめる。
『わわわ!!そんな美味しい特典が付くなら10個でも何個でも頼みなさい。』
「なー、俺とテツの分も奢れ。」
青峰が後ろからのっかかってきた。
『重い重い。あのねー、私は皆の財布じゃ「テツ。」....分かった。』
黒子っちが柄にもなくなまえの腕を絡めながら上目使いをするので奢ることを了承した。
「皆行くんなら俺も行くッス〜。」
『黄瀬は自分で払え。』
「分かってるッスよ〜。さすがに女の子にたかるほどの男じゃないッスよ、俺は。」
悪気なく言ったつもりだろうが、部室の隅の方で黒子と青峰にボコられていた。
そんなこんなで緑間も自動的に来ることになり、赤司は先生との話があるからとかで不参加だった。
そんなこんなで奢られる側のやつらは自分でドーナツを選ぶだけ選び、席に戻って行った。
桃ちゃんは自分の分だけなので、先に会計を済ませ席に行った。
むっくん、青峰っち、黒子っち、そして自分の分を合わせるとドーナツは20個もある。
お会計は2500円だった。
財布をのぞくと2000円しかなかったのでカードを出そうとすると、白い手によってそれは制された。
『黄瀬?』
「ここは俺が払うッスよ。」
黄瀬は自分の財布から3000円取り出そうとしたのでさらになまえはそれを制した。
『いやいや、大丈夫だよ。もとはと言えば私が全部受け持つ予定だったんだし。』
「....じゃあ割り勘スね。」
後ろもつっかえていたのでそれに従い、後から返そうと思っていた。
黄瀬は2000円だし、私の財布から1000円抜き取り、お釣りの500円を私の財布に入れた。
『いや、いらないんだけど。それに返す。』
「受け取らないッスよ。」
黄瀬はそう言うと、全員分の水を用意しようとトレーを台に置くので私もそれを手伝った。
「....なまえっちって素直じゃないッスよね。」
『....。』
「もう少し甘えたらどうなんスかね〜。」
『余計なお世話。私は甘えることを女の武器にしたくないもの。...それより黄瀬がモテる理由が今分かったよ。』
「...今ッスか。」
『ま、とりあえず』
なまえは7個のコップをトレーに置き、後ろを振り返り黄瀬に笑った。
『ありがとう。』
「おせーぞ。」
『んー、青峰っちだけドーナツは無しかな。』
「なっ...冗談だっつーの。つーか黄瀬、顏あけーぞ。」
「本当ですね。黄瀬くんの顔が赤いなんてめったにないですもんね。どうかしたんですか?」
『ほんとだ。大丈夫?』
「...あー、ちょっと躓いて恥ずかしかったんスよ。」
「だっせー。」
(あれは不意打ちッスよ...//)
fin