バスケ部の守沢くんへ手作り


1、2年と連続で同じクラスの守沢君はバスケ部の部長。私は製菓部で毎週水・金曜日にお菓子作り。製菓部にはバレンタインやクリスマス、部活の試合時などのイベントに運動部へ差し入れをするという伝統がある。私はもちろん毎回バスケ部への差し入れ班になり(立候補制)、守沢君&他の部員へケーキやクッキーを渡しに行っているのだ。そしてもうすぐバレンタイン、待ってましたこの季節!個人的に渡すのは恥ずかしくてハードルが高いこの私には大変有難い部活のイベント!今年もバスケ部への差し入れ班に、いざ!


「…………え?空手部?」
「そ。今年はあんた空手部でよろしく!」
「ちょちょちょ、ちょっと待って!あたしバスケ部に…」
「今年はバスケ部、希望者多いんだよね。ほら新しく入った明星くんと衣更くんだっけ?あの子達にあげたいーってバスケ部班は争奪戦だったのよ」
「だったのよ…って、あたしだって立候補したよ!?」
「あんた昨日、生理痛で休んでたじゃん?その間にじゃんけんで決まったらしいよ。不戦敗だったね」


なんてこった…。じゃんけんあると分かってたらこの身体の血が全てカラカラになろうと参加したものを…!まさかの不戦敗!まさかの空手部!いや別に空手部が嫌な訳じゃないの、鬼龍くん友達だし。でも…あげたかったな。守沢くんに。

そんなこんなでバレンタイン当日。空手部の班で道場に向かう。恒例行事のため、部員は待ってましたと目を輝かせて迎えてくれた。みんなそれぞれ知り合いに渡していき、私は友達の鬼龍くんに。

「はい、鬼龍くん。ハッピーバレンタイン〜!」
「お、珍しいな嬢ちゃんが空手部に持って来るなんて。今年は熱血バカにはあげに“行けなかった”のか?」
「え!?や、やだなー、何のこと?あ、ほらこれあたしが作ったやつ!甘さ控えめだから鬼龍くんも食べられるかなと思って!頑張って作ったんだから残さず食べてね」
「そうか、それなら有り難くいただくぜ」


そして守沢サイド。今年も当たり前のように来てくれると思っていた彼女がいない。いつもバスケ部の差し入れに来てくれていたのに。そして今日はバレンタイン。部活の行事とはいえ、彼女から貰えるのを楽しみにしていた守沢くん。女の子達が部員たちに次々とチョコを渡していく。

「なぁ……、今回はその、彼女はいないのか?」
「え?あぁ、あの子なら今回は空手部だよ」
「かっ………か、空手部!!??」
「鬼龍が甘いの苦手らしいから、苦めの作ってたみたいだけど」

鬼龍のことが好きだったのかと勘違いでスーパー落ち込む守沢。そして実は守沢の分を個人的に作ってきていたが、恥ずかしくて渡すのを迷ってる彼女。そして帰りの下駄箱でばったり二人が会い………。からの進展を書きたい。長くなりそう。



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