当たり前のように二人は



金ちゃんと付き合い出してもう四日たった。
この間まではただの幼なじみだったのに、いつの間にこんな深い関係になってしまったのだろう。

そして、いつの間に俺は彼に依存するようになったのだろう。


「光ー!はよ帰んでー!」
「あーはいはい」


金ちゃんの後ろ姿を見つめて思う。
今こそ小さい背もそこまで広くない背中も、あと一年もすれば逞しいものへと変わる。
その頃には金ちゃんも、恋をするという感情を理解し、本能的に好きな女の子のタイプも決まってくるだろう。

そして俺はいらない存在になる。

分かっている。それが正しいと言うことも当たり前だと言うことも。
分かってはいるのだが、そう思う度に俺の心が悲鳴をあげた。


嫌だ、苦しい、辛い

手を伸ばせば届く距離にいるのに、彼はいつか俺から離れて行くのだ。


「光ー?」
「…あぁ、なんや金ちゃん」
「今日のご飯、うちで食べんねんて!やから今日はそのままワイんち行くでぇ」
「それ、初耳やで」
「やって今言うたんやもん」




当たり前のように二人は


いつか金ちゃんが離れて行くまでは、一番近くにおってもええんよな?



10/07/20

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