新年



さん、に、いち。


「あけましておめでとう!」

「オメデトウ」


カウントダウン。
私たちはいつもの仕事で、新年を迎えた。時計の針が12時を指すと同時に私が挨拶すると、スパナも照れくさそうにそれに習う。


「じゃ、年越し蕎麦たべようか」


私が机の上に蕎麦の入った丼を置くと、スパナは眠そうに垂れていた目を直ぐにぱっちりと開いて歓声を上げた。


「う、旨い」


旨いも何も、ただの蕎麦だけれど。年越し蕎麦という、日本っぽいことをしているのがそんなに嬉しいのかな。このような、好きなことに熱中しているスパナは凄い可愛くて、きらきらしている。


「去年は、色々大変だったけど今年もよろしくね」


私が何気なく言うと、スパナはしんみりと呟いた。


「去年、ウチはあんたが助手になるなんて思いもしなかった」


それはそうだろう。私も想像しなかったもの。スパナは、でも、と続けた。


「思いもよらないことも沢山起きたけど楽しい一年だった」

「…うん」

「ジャッポーネの年越しも、楽しいな」

「まぁね」

「今年も、よろしく」


さらりと告げた彼に、私はちょっと嬉しくなって照れ隠しに蕎麦を啜る。

タイミングよく、除夜の鐘がどこかで鳴り響いた。



ハッピーニューイヤー!(1/1)






今年も綻びワルツをよろしくお願いします^^


090101
正月カウントダウン3



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