兎にも角にも。


「着替えてみた、のはいいのだが」


私の隊服は、基本的には普通の隊服。違うのはスカートだということと、なんかボタンらへんがチャチっぽい気がすること(まぁ支給品だから文句は言わないけど)。
着心地は悪くない。


「名字さーん、どうー?」

「あ、まぁ着ましたけど…」

「似合うじゃない」

「……スカート短くないですか?」


好んでこんな短いスカートは履いたことがない。予想以上に短くて落ちつかなかった。


「全然大丈夫だよ」

「確かに、その位太い脚だったら誰も欲情しないですねェ」


ふ、太いって…!
あからさまに嫌みな口調に振り向くと、沖田隊長がニヤニヤしながら立っていた。


「なんでィ、事実じゃねーか」

「そ、そりゃあ細くはないけどっ」

「……まぁ、土方のやつが喜びそうで気にくわねェけど」


なんでここで土方さんが出てくるのだろう。助けを求めるように山崎さんに視線を送ると、彼は苦笑する。


「ミニスカートを断固譲らなかったのは土方さんだから」

「そういうことですぜィ」


話によると、土方さんは「女はスカートであるべし」と言い放ったらしい。保護するなら男装でもした方が楽だろうに。


「土方は変態だから気をつけな」

「そうなんだ…」


沖田隊長の言葉に頷く私。山崎さんは苦笑いのまま、黙っていた。




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