2 兎にも角にも。 「着替えてみた、のはいいのだが」 私の隊服は、基本的には普通の隊服。違うのはスカートだということと、なんかボタンらへんがチャチっぽい気がすること(まぁ支給品だから文句は言わないけど)。 着心地は悪くない。 「名字さーん、どうー?」 「あ、まぁ着ましたけど…」 「似合うじゃない」 「……スカート短くないですか?」 好んでこんな短いスカートは履いたことがない。予想以上に短くて落ちつかなかった。 「全然大丈夫だよ」 「確かに、その位太い脚だったら誰も欲情しないですねェ」 ふ、太いって…! あからさまに嫌みな口調に振り向くと、沖田隊長がニヤニヤしながら立っていた。 「なんでィ、事実じゃねーか」 「そ、そりゃあ細くはないけどっ」 「……まぁ、土方のやつが喜びそうで気にくわねェけど」 なんでここで土方さんが出てくるのだろう。助けを求めるように山崎さんに視線を送ると、彼は苦笑する。 「ミニスカートを断固譲らなかったのは土方さんだから」 「そういうことですぜィ」 話によると、土方さんは「女はスカートであるべし」と言い放ったらしい。保護するなら男装でもした方が楽だろうに。 「土方は変態だから気をつけな」 「そうなんだ…」 沖田隊長の言葉に頷く私。山崎さんは苦笑いのまま、黙っていた。 |