じりじりと緊迫した空気のまま、一同は小屋の外へ出た。相手の数は、少なく見積もっても二十人程度である。一人ひとりの戦力は大したことはなくとも、三人でこの人数を、女を守りながら戦うのは困難に思えた。


「貴方たち…この人数、どうにかできるのかしら」


千夜が冷ややかに問いかけた。苦笑気味に答えたのは原田だ。


「信用してはもらえてねぇようだな」

「そんなことは、ないわ。でも流石に荷が重いかと思って。無理なら無理と、早めに言ってちょうだい」

「酷いな!こんなの俺たちには楽勝だって!な、斎藤くん」

「ああ、問題ない」


口々に言う三人に、千夜は息を吐く。決してそれは見栄ではないようだ。それぞれ武器を携えた彼らは
この空気を楽しんでいるかのようにも見えた。


「そこまで言うのなら、お任せしますわ」


千夜は、ゆっくり頷いた。


「お手並み拝見といきましょうか」


それが、開戦の合図となった。






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