9 じりじりと緊迫した空気のまま、一同は小屋の外へ出た。相手の数は、少なく見積もっても二十人程度である。一人ひとりの戦力は大したことはなくとも、三人でこの人数を、女を守りながら戦うのは困難に思えた。 「貴方たち…この人数、どうにかできるのかしら」 千夜が冷ややかに問いかけた。苦笑気味に答えたのは原田だ。 「信用してはもらえてねぇようだな」 「そんなことは、ないわ。でも流石に荷が重いかと思って。無理なら無理と、早めに言ってちょうだい」 「酷いな!こんなの俺たちには楽勝だって!な、斎藤くん」 「ああ、問題ない」 口々に言う三人に、千夜は息を吐く。決してそれは見栄ではないようだ。それぞれ武器を携えた彼らは この空気を楽しんでいるかのようにも見えた。 「そこまで言うのなら、お任せしますわ」 千夜は、ゆっくり頷いた。 「お手並み拝見といきましょうか」 それが、開戦の合図となった。 |