平家と和平が結ばれると言う話を聞いたのは、熊野から戻ってきてすぐのことだった。
和議は平家の本拠地・福原で行われるという。私たちはすぐ福原へ向かうよう、指示を受けたのだが…。


「あかり、いいかな」


深刻な望美ちゃんは、和議の話を聞いた直後に私を呼びとめた。彼女は私の手を握る。そして、決意を秘めた声色で言った。


「このまま福原に、行ってはだめなの。本当に和議は、成功させなきゃいけない」


私は彼女の態度に、悟った。いよいよその時がきたのだと。


「変えなくちゃ――運命を」


それは、終わりの始まり。
いつまでも終わらないこの戦いを、終えるための最後の戦いが、この時始まったのだ。






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