春日望美の話をしよう。



望美は異世界へと誘われ、白龍の神子として戦いの道へ足を踏み込んだ。あまりに急なことであったし、勿論戸惑いもあった。しかし、共にやってきた友人やそこでであった大切な仲間の為に、彼女は自ら剣を手にした。

慣れない土地での、慣れない戦い。当然、悩み苦しむことも多かった。だが望美は持ち前の明るさと前向きさ、向上心で戦いを勝ち進んでいった。
その中で、恋もした。心から尊敬し、愛おしく思える人に出会った。
緊迫した毎日だったが、充実していた。このまま目的を達成し、皆が望む結末を迎えられるのではないかと、本気で信じていたのだ。


ただし彼女の運命は、そう甘くはなく。
どこまでも過酷なもので。


この世界にやってきてから、およそ一年。戦いは佳境に入り、途中から、ドミノ倒しのように悪いことが続いた。それまでの優勢が嘘のように、源氏軍は追い詰められていった。


そして彼女の仲間たちは、戦いの最中に皆、命を落とす結末に終わったのである。





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