千景と元旦 「新年、あけましておめでとうございます」 「ああ、おめでとう」 「今朝は随分とご機嫌が宜しいようですね。面倒な挨拶周りがあるというのに、どうしたのです?」 「確かに、挨拶回りは面倒だ。だが、こんなに美しい妻を隣に並べられると思えば楽しみでもある」 「まぁ、千景ったら。新年早々飲みすぎなのではなくて?」 「…そうかもしれないな」 「お冷でもお持ちいたしましょうか」 「その必要はない。俺が酔っているのは、酒ではない。お前だ」 「千景、」 「お前によっている。去年も、今年も来年も、俺はお前に魅了され続けるよ」 「千景………そんなこと言っても、挨拶回りはサボれませんからね」 「チッ」 妻の方が何枚も上手になりつつある、若紫鬼の鴛鴦夫婦でした。 150103 |