弁慶と元旦 「弁慶さん、あけましておめでとうございます」 「おめでとうございます。本年も、よろしくお願いしますね」 「はい!こちらこそ!」 「…どうしたんです、そんな急に改まって。やけに姿勢がいいですね」 「だ、だって。あの、今日は特別な日ですから」 「確かに元旦は特別ですが、去年は君も普通の態度だったでしょう」 「今日は、去年とは違います。去年よりも、ずっと特別な日なんです。だって、弁慶さんのお嫁さんとして迎える初めての新年、だから」 「………っ」 「あ、あの、弁慶さん…?呆れました…?」 「君は、」 「は、はい」 「君はどうしようもない人ですね。新年早々、僕を焚きつけるなんて。残念ですが、初詣は明日に変更です」 「えっ」 「今日はこのまま、君を誰にも見せずに僕のものにしてしまいたい」 「え、弁慶さん、ちょっと、え、あの?!」 「ほら、こちらに来なさい。口答えしていられるのも、今のうち、ですよ」 あなづらはし完結後、元旦のふたりでした。 150103 |