癒やす助手子 特別美女なわけでも、際立って見えるわけでもない。けれど私は、いつも彼女にきゅんとしてしまう。 「あーもう、スパナさんが羨ましいな。私も毎日、お味噌汁作ってもらいたい」 それは本心からの呟きだったのだけれど、彼女は可笑しそうに笑う。 「私の味噌汁で良ければいつでも作るよ」 「そうじゃなくて〜。独占権がスパナさんに奪われたと思うと何だか悔しいやら何やら…」 事実、ちょっと寂しい。彼女とはずっと仲良しの友達だった。お互い別々の道を歩き始めても、頻繁に会っては励まし合うような仲だった。 けれど、彼女はスパナさんという運命の人に出会って。ちょっとだけ置いていかれたような気がしたのだ。 「独占権って。確かにスパナは大切な人だけど、あなたは一番の友達じゃない」 私の心を見透かしたように、彼女は微笑む。 「大好きな、親友でしょ!」 言い切った彼女がとても愛おしくて。私も、私もすごい好きだよ、一番の友達だよと返しながら、つい彼女に抱きつく。 …いい匂いがした。 120112 |