終幕 こからの話を私が語る意味は、きっとあまりないのだろう。 夜明けと共に、綱吉君たちは最後の戦いを開始した。 綱吉君率いるボンゴレと、白蘭さん率いるミルフィオーレの死力を尽くした戦い。それぞれが限界まで自分の能力を掛けて挑んだ、まさに命がけといって遜色ないそれだったと聞く。 真六弔花の面々の人間を越えた能力に加えて、白蘭さんが異なる世界からつれてきたというゴーストにより、戦いは混沌を極めた。白蘭さん自身、最後の切り札として用意していた力は凄まじいものだった。 私たちとアジトに戻ってきていた山本さんたちは、一足遅れで追いつきた。それと同じようにこの戦いには綱吉君の旧知も何人か駆けつけ、彼を助けたという。 なんとγさんたちもその中の一人だったらしい。メローネ基地崩壊の後、そのまま白蘭さんの下についていた彼らは、ユニが自分を取り戻して復活を遂げてからは半ば人質にされかけていた。でもそれよりも前に、彼らはユニの為に動いており、そしてこの度彼女の危機にようやく合流することができたのだと。 ユニとは浅からぬ縁のあったγさんは、最終的にユニと運命を共にしたと聞いた。二人の間にどんなことがあったのか、それは最早私たちには察することしかできないことだ。スパナはそういったことにはさっぱりなようで、何も知らないといっていたから。 でも、悲しいことだけどきっと、今の二人にはそれが最善だったのだろうと思う。 私とスパナは、戦いの最中もアジトで対白蘭用のモスカの制作を続けていた。直接行っても、できることは限られているから。無駄になるかもしれないけれど、それでもできることをしようと決めたのだ。 とにもかくにも。 文字通り命を捧げて世界を救ったユニ。それに殉じたγさん。 そして白蘭さんを倒した綱吉君。 戦いに参加したみんなの覚悟と信念が叶って。 ついに長い長い戦いは、ようやく終わったのだ。 そして綱吉君たちが過去からやってきたこの物語も、終幕を迎えようとしている。 |