嫌よ嫌よも



いやね、変態だとか狂ってるとかあいつに関わった時点で気づいていたわけですよ。だって能力からして変態じゃん。人の体奪うとか考えただけで寒気がするから。恐ろしいとかそういうんじゃなくて、体奪うっていう響きがなんかもう嫌だから。なんか笑い方おかしいし、その存在自体が既にアール指定。

うちのボスは心優しく「あいつにも色々辛いことがあったんだよ」とか言うけどさ、多分あれは先天的な変態だよ。現に千種と犬は割と普通じゃん。


「仮にも仲間なんだから仲良くしろなんて、ボスはわたしに貞操は諦めろってことかしらね」

「誰があなたの貞操なんか狙いますか。まぁ暇つぶし程度にはなりますけどね」

「だからそれが気持ち悪いんだって。もう消えてくれない?」

「クフフ、久々に会えて嬉しいくせに…ツンデレですか?」


これのどこがツンデレに見えるんだよ、その腐った目じゃまともに現実もみれないんですか。わたし、全力で逃げてるんだけど。


「追いかけてこないでよ!変態南国!」

「誰が南国ですかまな板」

「お、おまっ、わたしのどこみてまな板って言ってんのよ?!ていうか変態を否定しろ、変態を!」

「どこってむ「言うなァァァァアア!」」


全力で走り回るわたしに息一つ乱さずに追いかけてくるそれ。いくらわたしがボンゴレで、多少鍛えてるといってもぶっちゃけ、もう苦しいんだけど。そろそろ開放してくれないかな。


「諦めることですね。僕から逃げる事も、貞操も」

「さっきわたしの貞操には興味ないって言ったじゃん、貞操関係ないじゃん」

「いえ、なんか追いかけてたらムラムラしてきました」

「……(この変態)!」

「このままずっと追いかけっこでも楽しいですが、流石にもう飽きてきましたね」


にっこりと笑って骸は、腰を低くした。…ん?待てよ、この流れはまずくないか?
思っている間に、猛ダッシュしてきた骸に突然足首を掬われて、わたしは顔面から地面に突っ込んだ。地味に痛い。しかしその痛さを感じている余裕もあまりないようだ。だって、眼前には、オッドアイの、


「クフフ、追い詰めました」


ちゅ。

軽いリップ音がして唇に湿ったものが押し付けられた。


「〜!!!!」

「仕方ないでしょう、罰ゲームなんですからね」


恨むなら罰を決めたあなたのお仲間を恨みなさい。

骸は嬉しそうに、ぺろりと自分の唇を舐めた。
やっぱりこいつは変態だ。




嫌よ嫌よもなんとかのうち
(そんな変態のキスがまんざらでもなかったなんて、屈辱的!)




6/9 Mukuro Rokudou
Happybirthday !
080701



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