バレンタイン考察 バレンタインがそもそも何のイベントだったのか、近頃の世の中ではいまいち不鮮明である。始まりは、どこぞのバレンタイン司祭が処刑された日だったという。それが愛を伝える日に、そしてチョコレート会社の陰謀により、我が国日本では女の子が好きな男の子にチョコレートを渡す習慣が根付いた。 しかし今はどうだ。義理チョコ?友チョコ?逆チョコ?その、意味はなに。 「で、あんたは何が言いたいんですかィ」 「私の中でバレンタインは、お菓子を作って人に食べてもらう日という認識だってことです」 「随分過剰な自己解釈ですねェ」 「いいじゃないですか。このご時世にチョコレートで告白なんて人、希少価値ですよ」 と、私はここでチョコレートの入った箱を取り出した。それを目の前に突きつけられて、沖田隊長は眉を寄せる。 「…何でィ、こりゃあ」 「チョコレートです」 「本命?」 「まさか!さっきの話聞いてました?」 それは、私が作ったチョコレート。今日はバレンタイン。私にとってのバレンタインは、作ったお菓子をばらまく日ですよ。 そう言ったら隊長は、にやりと笑って箱を受け取った。 「あんたの不味いチョコの試食、手伝ってやらァ」 近代のバレンタインについての考察 そうとでも言って渡さないと、恥ずかしくて渡せないもの。 090214 |