※会話文注意


「ほしいものですか」
「はい。来週は記念日でしょう」
「記念日? 何の」
「……付き合い始めて一年が経つのですが」
「エッ、アッ、あー、そ、そうですね! そっかあもう一年かあ!」
「(忘れてたな)」
「(絶対ばれてる)」
「貴女のほしいものを教えてください、必ず用意します」
「ほ、ほしいものー……」
「服でも靴でもバッグでも。ご安心を、漠然と言われたとしても貴女の好みは調査済みです」
「ちょ、ちょうさ……」
「さあ」
「さあ、って言われても。この前のボーナスであらかたほしかったものを買いつくしてしまって」
「スニーカーと財布とカラースキニーでしたっけ、あとは確か、フレアスカート」
「なんでそんなに知ってるの怖い」
「調査済みですから」
「(名探偵でなければストーカーとして訴えてたのに)」
「つくづく、欲のないひとですね」
「貧乏くさくてすみませんー」
「そういうところも好きですよ」
「(くそ、つよい、勝てない)」



「竜崎、ほしいもの、ふたつありました」
「はい、何でしょう」
「ずっと身に付けてられる、消耗しないものをください」
「(これは遠まわしなプロポーズなんだろうか)」
「あ、あ、あと、」
「?」
「その」
「なんです? 言いづらいものですか?」
「む、無理なのはわかってるんです、わかってるんですけどね、」
「(珍しく煮え切らない。一体何を……)」
「りゅ、竜崎の、こ、こどもが、」
「!」
「わ、わかってるんです、だからああやって後継者育ててるんですよね、アシついたらダメだし、そんなの無理だってわかっ、ぐえっ」
「貴女は私の予測を軽々と超えていくから困る。貴女が犯罪者でなくてよかった」
「はなして竜崎、くるしいです、あと肩の骨が当たってすごく痛い」





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