眩しい

ボク最近おかしいみたいや。
同じクラスのみょうじさんっておるんやけど、別に何か今まで関わりがあったとかそういうわけではない。ただみょうじさんは他の奴らと違ってボクを気持ち悪がらないし、普通に話しかけてくる。ホンマにキモい。
でも話し掛けられる度にちょっと喜んでる自分が一番キモい。

「みどうくんおはよう」

ほら、また。
みょうじさんの声聞くと黄色なんや。キモ。

「みょうじさんや」

「そうやで〜。みょうじやで」

みょうじさんの黄色は母ちゃんとはまた違う黄色で、すごく眩しい黄色。それでいて母ちゃんみたいに暖かい黄色。

「おはよう」

もう少し、もう少し、黄色を感じていたくてぐるぐると思考を巡らせても、何にも思い付かへん。レースの作戦ならすぐに思い付くのになぁ。
せやから無駄な言葉を紡いで、少しでも長く話せるように頭をフル回転させる。それでも陳腐な言葉しか並べることができないボクに、並べようと思ってるボクに鳥肌が立つ。キモキモキモキモ!

「今日体育あるし頑張ろうなみどうくん」

「おん」

「ほなまたな 」

「おん」

ダメダメやなボク。キモ。キモキモ。
でもなんで体育あるから頑張るんやろ。ボクが苦手なの知っとったんやろか。まさかな。

ちょっと期待して嬉しくなって思わず笑いそうになった。キモ。

ホンマボク、病気かもしれん。




≪ | ≫


back
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -