6
あのテスト勉強の日以来、梓先輩に会っていない。
いつもだったらすぐ抱きついてくんのに。
「ここにもいない、か。」
梓先輩がいそうなところを探してみる。
でも彼は神出鬼没すぎていそうなところなんて予測がつかない。
「屋上庭園、」
星が好きな人ならこの時間に屋上庭園にいそう。
ガチャッ
ドアを開けるとそこには見慣れた背中があって。
「先輩、」
「名前、」
「久しぶりですね。」
「そうだね」
元気ない?
「…、大人しいと何だか寂しいです。」
気づいたときにはそんなことを口走っていて。
しまったと思ったのは遅い、
「へぇ、そんなこと思っててくれたんだ。」
「いえ、っとこ、これはっそのっっ、」
完全に毒されているようです。
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