好きって言うまで放さねぇ


 ピンクのオフショルダーから覗く白い肩とか、鎖骨の浮き出た細い首筋とか、体のラインがくっきりと出るドレスのくびれた腰周りだとか、男なら誰でも視線で追ってしまうような美女を何人も側に侍らせておきながら、我らがボスは全くの無表情だった。寧ろ眉間に深い皺を刻み込んで女達には一瞥もくれないその姿は、恐ろしく不機嫌であった。


「やだわぁ、ボスったらまた見てる」

やたら呆れ口調でひとりごちたルッスーリアは、大袈裟な位に嘆息した。

「いっそのこと告白して、自分のものにしてしまえば良いのに」

ボスの視線の先でこれまた数人の美女に囲まれた男は、邪魔な奴らを追い払おうとしてその自慢の銀髪を振り乱している。どうやらボスの熱い視線には気付いていないようだった。

「……一肌脱ごうかしら」

半分は2人のため、もう半分はいつまでもやきもきさせられて、いい加減うんざりしてきた自分のためだ。
そうと決めたルッスーリアの行動は早かった。未だに剣呑な表情でパーティ会場の一点を睨み据えているボスを美女の輪の中から連れ出して、夜風にでも当たってきたらどうかしらと半ば強引にバルコニーへと追いやる。

「ゔおぉいルッス、ボス知らねぇかぁ」

暫くして姿が見えなくなったボスを探してスクアーロが声を掛けてくればしめたものだ。バルコニーで見たからワインでも持っていったら、と2人分のワイングラスを持たせてスクアーロもバルコニーへと向かわせる。後は2人以外に誰もバルコニーへ出ていかないよう見張っていればルッスーリアのお節介は完了である。














「ゔぉい、ボス、ワイン持ってきたぜぇ」

「……スクアーロ、」

「んー、っゔぉ!?、何だぁボス、放せぇっ」

「放さねぇ」

「あ゙ぁ!?」

「……好きって言うまで放さねぇ」

「―――っ」





( ああ、こんな奴 )
( 愛すなと言う方が無理だ )



title:確かに恋だった
横暴な彼のセリフ より

ザンザスさんにデレて欲しかった。その後はご想像にお任せします。(文才の無さを誤魔化しただけですすいません)
ルッスーリアはいつだって恋のキューピット。

ザンザス復活祭です、一応。


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