いつか願った星の下で寄り添う





考えたことがある。
愛した人が欠けた年月に。
遠い夜空で輝く星々を見ながら。
願いを描けたら敵うなんておとぎ話を信じるように。



「…(あいつと、見れたらもう何もいらねぇなぁ)」



本気でそう考えた。
今だって考えてる。
だから今、そう願った男が拳一つ分間を開けた隣にいて、空を眺めていられるこの時はあの時夢に見た光景なんだろう。
あのころは、XANXUSと夜空を覆う星々を見られたらと願った。

じゃあ今は、何を祈るんだろうか。
ぽつりぽつり。

黒い紙にきりで穴をあけてそこから光が漏れだすようにちかちかしている。

昼間ほど強くない光を、それでも光は降るのだと言い聞かせるように申し訳程度にあてては、恥ずかしがるように瞬きを繰り返している用んだ。

XANXUSは、今何を願っているのだろうか。いや、もしかしたらリアリストのこの男のこと。

星に願いをかけるなんてことを夢見がちだなんて思って相手にしてくれないかもしれない。
それはそうだなぁ。22にもなった男が、ガキの頃に夢見た星に願いをかけるなんて話をしたら、きっとXANXUSは気持ち悪がるだろう。それでも、夢がかなった今、どうしても口にしたくて声をかけた。



「オレなぁ、お前とまた星見れたら何もいらないって思ったんだぜぇ」



鼻で笑われてもいい話だった。
XANXUSの顔を見るのがなんだか照れくさくて、それでも見たら目がかち合った。何を思っているのか。頬づえをついたまま、興味なさげに視線だけで刺されたような気もしたけれど、XANXUSは口を開く。



「何も?」

「ああ、何も。馬鹿だって思ったろぉ?」

「そんなもん8年前からずっとわかってたことで今更思わねぇよ」

「…そうかぁ」

「…それに、」

「んん?」

「……お前のことを笑えないようなことを、考えたからな」



言葉の意味が一瞬わからなくて頭に?が浮かんでから数秒。

漸く頭が働きだしたと同時、血が上ったのが分かってめまいがする。
何を言っている。
こいつは、こいつは今なんて言った?



「………え、それって、どういう」

「………るせぇな」



分かっている言葉を言わせようとするのは意地悪だと言う。
でもこれは、確認だ。独りよがりでないって言う確信がほしかったのは久しぶりだった。

「なあ」

「………」



XANXUSが拗ねたような顔をしてるので、理解と感情が漸くの事追いついて、オレまで甘酸っぱい気持ちのまま下を向いてしまう。
14から8年。あれからオレの心は全然変わらず青いままらしい。



20131009(title:反転コンタクトさま).


凛音ちゃんへ1000ヒットおめでとう!遅くなってごめんね(´;ω;`)書かせてもらってありがとう!!


渡季





1000打のお祝いを書いていただけるということで、
自分が書けなさすぎて飢えている甘いXSをいただきました…!

ボスかわいいっっ
スクさんは幸福者ですね…(>_<)

渡季姉さん、素敵なXSを
ありがとうございました!!

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