それは媚薬と言うべきか麻薬と言うべきか。 触れた先から痛いほどに痺れていくのだ。 ふんわり柔らかい訳でもないその指先が、腕が、舌が、じんわりと僕の身体に毒を広げていく。 甘く溶けそうな媚薬、欲するほど枯渇する麻薬。 限りなくある快感の中でそれは確実に別格だった。 「・・・死にそうなくらい」 「あ?何か言ったか?」 目の前にある男の顔を見上げてぽつりと呟いた僕に男はそのたくましい肉体に汗を滴らせながら僕を見下ろした。 たくましいと言えば一度精を吐き出して萎えたはずの僕の中にある男の分身も、またすぐに硬さを取り戻しそうだ。 「何でもなーい」 汗やら体液やらでべたべたぬるぬる。 それなのにこの熱は心地良い。 「変な奴だな」 伸びて来た大きな掌がくしゃりと乱れた僕の髪を掴み、そっと掻き上げる。 それだけで僕の身体の奥に熱が宿る。 涙さえ連れてきそうなこの感覚の理由を、僕は知らない。 伸ばし返した腕をするりとドフラミンゴの首に巻きつける。 「ちゅーして」 引き寄せるまでもなく与えられた唇に迷いなく吸い付くそれは他の誰とも変わらない。 「んっ・ん、ぅ・・あっ・ちょっ、待って・・!」 いつの間に準備万全になっていたそれが軽く僕の身体を突き上げた。 じれったいほど緩やかな刺激に一度治まった欲情もすぐにその現金な姿を現す。 「ぁぅ・あ、っ・待・・んぁぅ、ぁん・っ、ぁあ・・っ!」 寄せては離れるキスを繰り返しながら、 僕の脚を抱えてドフラミンゴはゆっくりと内壁を擦り上げていく。 「ん?」 見つめられるだけで、なんて、それはきっと猛毒であるに違いない。 「んぁ・っ、ドフラ・っ、ミン・ゴ・っぁん・!」 抱き締めるように身体を引き寄せて、自ら進んで脚を開くそれは他の誰とも変わらない。 それでも僕は彼だけがその毒を持つ理由を、何となく気付き始めている。 |