ョートする回路、思考の




「名前先輩〜っ!」


「おい待てこら此処教室だぞ」


わざわざ教室に来てまで何かと思ったらいつもみたいに抱き上げられた。というかいつもみたいにと言えるぐらい恒例になってしまい、慣れてる自分が怖い。

…ていうか、なんで遊園地で迷子になった子供を見つけた親みたいな反応なんだ長太郎よ。


「名前先輩不足が深刻なんです」


「昨日一緒に帰ったじゃん」


「なんで先輩は俺と違うクラスなんですか」


「まず学年の壁を感じてくれ」


ちなみに私のクラスは3年H組で、彼のクラスからしたら結構遠かったりする。


「よりにもよって忍足さんと同じクラスだなんて…!」


「鳳、それ悪口やろ」


「名前先輩、俺のクラスに来ません?」


「留年しろって?ていうかお前キャラ壊れつつあるって亮が言ってたんだけど」


「先輩のせいです」


「うるせーよ」


「ほんま好かれとんなぁ」


「助けて忍足」


「馬に蹴られて死にたくないねん」


よしよし。
後輩に我が子を可愛がるみたいな感じで愛でられる私を見るクラスの女子からは可愛いとか羨ましいとかとか言われてるのだがそう思うなら代わってくれ。切実に。


「可愛過ぎです…」


ほぅ、と擦りよりながら幸せそうな表情を浮かべるな。殴るに殴れないじゃないか。


「うん、長太郎。離れろ」


「嫌です。というか無理です。持ち帰っても良いですか?」


「駄目です。今すぐ離さないと最終兵器宍戸亮を使うよ」


「………」


「そんな顔しても駄目です。早く教室に戻りなさい授業始まる」


「名前先輩は、俺と離れていても平気なんですか?」


平気、と言いたい。
言いたいけど雨の中捨てられた子犬みたいな眼で見つめられたらそんな薄情なこと言えない。図体だけは一人前のくせにちょっと可愛いじゃないか。


「…どうせ次の授業終わったら昼休みでしょ」


「え!…ってことは一緒にお昼、」


「クリームパン食べた…痛い痛い痛い!」


ぎゅううううう。あれ、コイツ私のこと殺す気か?


「迎えに来ますから教室に居て下さいね!」


「分かったからさっさと帰れ」


ようやく下ろされて床に足が着く。
これで静かになるなんて思っていたら。


「ちゅ、」


額に、柔らかい感触。


「……………」


「じゃ、失礼します!」


おい待て失礼しますてか失礼なことしなかったかお前爽やかな笑顔で許されるとでも思ってるのかていうか男女共に悲鳴五月蝿い忍足もポカンとしてるしなんてアホ面…じゃなくてアイツは今何をした?ヒント額に唇が…ってあれか、世間一般で言うでこちゅーか。自分で言うのもアレだが、彼と私は結構身長差があるのに屈むの大変…じゃなくて!!


「亮〜っ!!!」



もうやだあの後輩!!








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