いが酷かったり




「海に行くぞ」


「はい?」


午前の練習が終わり、よし休憩だなんて思ったら。


「だから海に行くっつってんだよ」


「…水着無いよ?」


「俺様に不可能はねぇ、用意してあるぜ」


「それもどうかと」


というワケで、れっつごー海。















「うーみーやーっ!」


「五月蝿い」


「なんやコシマエ、海やで!そないなテンションでどーすんねん!」


海岸で叫ぶ金ちゃんに呆れたようなリョーマを見て呟く。


「なんか兄弟みたい」


「………不本意ッス」


「せや!どーせなら名前みたいな姉ちゃんが欲しい!」


「立海の弟共で手一杯です」


なんてやり取りをしていたら。


「天気も波もええ感じやな。んんー絶頂ーっ!」


「まぁ偶には国内の海で我慢してやるか」


「油断せずに行こう」


みんな着替え終わったらしく、それぞれ水着やらパーカーやらを着て海水浴モード。


「場所取りご苦労さま。着替えてきて良いよ」


ぽん、と頭の上に精市の手が置かれた。


「結構きわどいのもあったのぅ」


「名前、黒いヤツな」


「誰が着るか」


水着は景吾が用意させたらしいが詳しくは突っ込んではいけないらしい。


「駄目だ名前、脱ぐのは俺の前だけにしてよ」


「真田ー、このけしからん連中どうにかして」


「竹刀代わりになりそうな物ならあるぞ」


「おい、それスイカ割り用の…」


「殺人未遂になりかねないので彼女に持たせてはなりませんね」


「名前、頼むから怪我だけはさせるなよ」


真田からスイカ割り用の棒を貰いかけた手を柳生と蓮二に掴まれた。


「何だかんだ言って甘いよね。…まぁいいや、着替えてくる」


「名前ー黒なー!」


「スリングショットでも良いダニ」


「雅治の脳天にスリングショットぶち込むよ?」


分かる人にしか分からないような会話をしながら雅治に中指を立てる。

予想通り、というか何というか。意味の分かっていない金ちゃんが白石に尋ね彼が答えかねる姿を横目に私は着替えてに向かった。















「ねぇ、俺らと遊ばない?」


「………」


メンドクセ、という言葉を飲み込んでどうしようかと悩む。
このシチュエーションは久しぶりで、倒すのは簡単なのだが…、


(手出されてないのに倒すのは…駄目だよね)


喧嘩なら楽なのに、なんて思っていたら。


「ったく、女1人相手に激ダサだぜ!」


「どうせ釣り合わないのでお引き取り下さい」


「ま、声かけたなるんは分かるけどな」


「そうそう、背負い投げられる前に止めた方が良いぜ?」


「……………うーん君達って過保護だよね」


確かにどうしようかと悩んではいたが、こうも守ってもらうように立たれると自分が弱い子みたいで新鮮だ。
おかげでナンパ野郎はあっさり引き返してくれたのだが。


「可愛らしい女の子が1人で着替えなんて危ないで?」


「侑士の存在の方が危ないけどな」


「つーか跡部に接近禁止令出されてるだろ。ストーカーみてぇだな」


「ついでに四天宝寺の謙也さんにも言われてましたよね」


「………みんな俺を泣かせたいん?」


「ウザイから嫌」


「あれ、なんや急に眼鏡曇ってきたな…」


ぐすっ、と泣いたフリをする伊達眼鏡はさて置いて。


「名前先輩、その水着スッゴく似合ってますよ!」


「クソクソ!鳳に先越された!」


「けど私服みてーだな」


「これが一番マシだったんだよ」


雅治のスリングショット発言では無いが、結構…というかかなりきわどいのまであってちょっと景吾をしばこうかと思った。

結局一番露出面積の少ないものを選んだのだが、確かに水着ではあるものの一見キャミソールにショートパンツと言った感じである。…まぁ背中の露出度は高いのだが。


「なんやもうちょっと過激なんあったやろ?俺が選んだろか?」


「…岳人、これ倒しても大丈夫?」


「明日の練習の時に俺が困るから止めてくれ」


「そんなのは放っておいて行きましょうよ!」


「後輩にそんなの扱いされるなんて激ダサだぜ」


「なんで俺の扱いって酷いん?」



ちょっと涙目だったのは、見ないことにしておいた。








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