首ったけ
−−−食べた後はすぐ歯を磨かないと気が済まない。
なんとなくそわそわして、落ち着かないのだ。
けれど、今は雅治の家で。
お昼を作ってあげて一緒に食べるまでは良いが、人の家で歯は磨けない。
仕方無く気休めにミント系のガムを噛んでいたら、口に歯ブラシを突っ込んだまま雅治が言った。
「そんな1度ぐらい歯を磨かんでも虫歯にはならんじゃろ」
「んー、そうなんだけどね」
なんとなーく気になる程度。
外食の際も仕方無いからとガムで誤魔化しているのだけど、雅治の家だからかつい我儘を言ってしまった。
「なんなら使うか?」
そう言って彼はにやりと自分のくわえている歯ブラシを指差す。
「スッゴい新手の間接キスだね」
「直接してるんだから今更気にしないナリ」
彼は洗面所に行き、うがいをして戻ってきた。
ミントの味が口の中に広がって、違和感のあった口内が少しはマシになる。
「名前〜」
「なんだ〜」
ぐで〜と抱きついてくる猫みたいな雅治の頭を撫でれば、気持ち良さそうに目を細める。あ、やっぱりコイツ猫かもしれない。
「気持ち良いぜよ」
そう言ってスキンシップ過多。
けれど、可愛くて仕方ないと思って許せる自分も重症。
ペロリと唇を舐められて、びっくりしていたら、うーむと彼は唸った。
「確かに、虫歯になりそうじゃの」
「え。やっぱり歯磨かないと…ぉう?」
ゆったりと押し倒されて、ヘンな声が出た。
「甘過ぎるナリ」
自分の唇を舐めて彼の瞳は獲物を狙うそれになって。
(あ、やべ)
何がやばいって、そんな姿も可愛いと思ってしまえる自分の危機感の無さが。
……………
上手くシチュエーションを使えてない気がするゴメンナサイ…ッ!