字通り


「知ってるかい?未成年の飲酒は法律で禁止されてるって」


「あーん?いくら俺様が常識に捕らわれなくてもな、法は犯さねーよ」


「なら君が今飲んでいるシャンパーニュ地方で作られてそうな飲み物はなんだい?」


暇だから来いなんて超然俺様的理由で呼び出された私は、景吾の部屋に入って溜め息をついた。

確かにコイツは外国かぶれだが此処は日本である。日本ではお酒は20になってから…にも関わらず高そうな椅子に座り高そうなグラスで高そうなお酒を飲んでいた。


「これはノンアルコールだ」


「ほえ?」


瓶を持ち上げてラベルを見れば、アルコール度数は0%だった。


「なんだ。生徒会長が昼から飲んだくれだーって遊ぼうと思ったのに」


「響きの悪い言葉を使うな」


そんなことを言う景吾を無視。
瓶を置いて、彼に向かって手を伸ばす。


「なんだ?」


「一口チョーダイ」


アルコールの類に興味は無いが、目の前で飲まれると気になる。
人のものは美味しそうに見えるあの現象に近い。


「…お前、炭酸系苦手だろ」


「だから一口」


自覚してるが気になるのだから仕方ない。


「仕方ねぇな」


そう言ってグラスに口付けたから、先に景吾が飲んで新しく注いだのをくれる…というのが私の脳内プランだったのだが。

ぐいっと手を引かれ景吾の腕の中へ。疑問を口にする前に、その口を塞がれて…口内に染みる弾ける感覚。


「けほ…っ、」


ただでさえ苦手な炭酸な上に口移しという暴挙により…私は涙目かつ赤面。


大人しくなったのを良いことに、彼はにやりと笑って…耳元で囁いた。



「一口、だろ…?」



うん、仕方ない。















……………

私の買ったシールステッカーで真っ先に当たったのが跡部だったりします。

いや、でも彼は飲酒してると思うんだ。






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