私の可愛い悪魔
カタカタとパソコンをいじっている−−−と言っても持って帰ってきた仕事だが−−−と、後ろからぎゅっと抱き締められた。
「俺と仕事、どっちが大事なの?」
2つ年下の、まだ大学生である私の彼氏様は勝手にデータを途中で保存してしまった。
「今日はもう駄目。俺を構ってよ」
「ワガママ」
「名前にだけ、ね?」
そう言って触れるだけのキスをして、無理矢理私を椅子から引きずり落として…床の上で全身を抱き締められた。
「まったく、久しぶりに会えたのに俺より仕事なんだから…薄情な恋人だ」
「そんなことも承知で告白したクセによく言う…」
私も精市も互いに忙しい。
恋人らしく過ごせる時間は短いだろうと言っても、それでも貴女が欲しいだなんて笑った男は重度のワガママで甘えただ。
「名前しか要らないからね。他の女なんて視界にすら入らない」
肩に顔を埋めて、ぎゅーっと抱き締めてくるのが可愛くて仕方ない私も結構重症なのだけど。
「わ…っ!」
いきなりそのまま押し倒されて、キスされる。
「お陰で溜まっちゃって大変なんだ」
爽やか過ぎる笑顔には相応しくない言葉をサラリと吐かれ、一瞬思考が止まった。
「だから、ね?」
「…ハァ」
ね?なんて可愛いらしく首を傾げるが、これからのことを考えると悪魔の笑みにしか見えない。
「良いよ」
「うん、いただきます」
−−−本当、可愛くて仕方ない。