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日本には銃刀法という厄介な法律がある理由が今日よく分かった。


「おー、相変わらずちっせーな」


夕方頃に立海がやって来たと思ったらブン太が人の頭を撫でながら言いやがった。


「ちょっと跡部にコルトパイソンおねだりしてくるね。脳天ブチ抜きたい人が居るのって」


よしよしと頭を撫でる手を叩き落としていると、赤也が首を傾げた。


「コルトパイソン…?」


「銃の名前じゃよ。リヴォルヴァーだったかの」


「1956年にコルト社が開発した.357口径の大型リヴォルヴァー。仕上げのよさから“リヴォルヴァーのロールス・ロイス”と呼ばれ…」


「柳先輩に死角は無いんスか…」


すらすらと銃の知識を述べるとは、立海のデータマンは侮れない。侮れないがその知識がテニスとどう結びついていくのか小一時間は問い詰めたい。


「じゃ、私はもう部屋に戻るんで」


「え?待って下さいよ名前先輩!」


そもそも私はここらの探検を終えて部屋に戻るところだったのを今現在コルトパイソンでブチ抜きたい男ナンバーワンにしてオンリーワンのブン太に捕まっただけだ。


「そうだぜぃ。久しぶりの再会なんだから…」


「あ!丸井君だC」


嬉々とした声が急に聞こえて来た…と思ったら、普段は眠り王子がこちらへと駆けて来た。
後ろには他の面子も居るし、自主練習は終わったらしい。


「おっ、久しぶりだな!」


「今来たとこ?会えてうれC〜!」



どうやら慈郎は彼と仲が良いらしい。日本に銃刀法があって良かったね。危うく事件が起きるとこだったよ。


(ジローよくやった)


明日は更に他校が来るらしい。今日は早く寝てしまおうと、部屋へと向かった。















…と思っていたのに。


「何をなさってるのでしょうか」


「今日はあちこちふらついてたみてーだからな」


どうして私は跡部の膝の上に座っているのか。
確かに今日は建物内や近所を探検していたけれど。ていうか、跡部は跡部で何やら忙しそうだったじゃないか。

特に何をするでもないと、彼の体温に眠くなる。普段から夜更かしはあまりしないタチだから、そろそろ眠いし寝たい。背が伸びるのは寝てる間だから尚更。


「ねむい」


「一緒に寝るか?」


本気でやられそうだから怖い。まぁ抱き枕程度にしか思われてないだろうが断るに決まっている。


「部屋…行く」


本格的にうとうとする前に逃れようとしたら、跡部が立ち上がって歩き出した。


「ちゃんと鍵締めてから寝ろよ」


「んー」


髪を梳く指の心地良さを感じながら、曖昧に頷いた。








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