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「何が凄いって大阪で練習試合した次の週には合同合宿ってハードスケジュール過ぎるよね。従兄にまたかよ…みたいに言われたもん」


1学期の終業式を終えたら即合宿。いつ宿題をやれと言うのか。


「とは言っても、終業式は流石に参加校みんな一緒ってわけじゃないから明日は緩い感じだよ」


部室にて、一緒に荷物の確認をしている滝がそんな話をするが、いやじゃあなんで参加校全部合うような日程にしなかったのか問いただしたい。まぁ、利用する場所の都合とかあるのかもしれないが。


「名前は従兄と一緒に住んでるんだよね?」


「うん。仕事の転勤で近くに来たからじゃあウチにおいでーって。両親は仕事が忙しい人だからあんま家に居ないし、私の面倒見も兼ねて」


一通り確認が終わった時、部室の扉が開いた。


「うわ、忍足」


「………だから何で名前は俺のこと大嫌いやねん」


そんなやり取りをしていたら、先ほどしまった扉が盛大に開き忍足にクリティカルヒットした。


「い…っ?!」


「ったく俺のクラスHRなげー…って侑士、何してんだ?」


「岳人、お前な…っ!」


盛大に扉を開けた犯人はけろっとした様子で忍足を見る。


「おい何やってやが…本当に何してんだ?」


そんな岳人の後ろからひょこっと亮が顔を覗かせる。


「多分、忍足さんが扉フェチに目覚めたんじゃないですか?」


「鳳…なんやその新解釈」


「扉の前で通行妨害してた忍足に岳人が天然で制裁したんだよ」


長太郎の新解釈に訂正を入れれば、それでもご不満らしい。


「扉の前で5秒立ち止まるんが妨害になるんかいな」


「いや、正確には6秒43だったよ」


「滝まで俺の敵に?!」


今世紀最大の裏切りにあったように、忍足は絶望的な表情になった。


「俺は事実を言っただけなんだけど…」


「放っておけよ」


「激ダサだな」


それでも言葉のナイフが飛び交うのだから物騒なチームメイトである。















「名前」


「うん、取り敢えず離せ」


合宿だから、といつもより部活は早めに終わった…と思ったら跡部に抱き上げられた。


「合宿中はあんまフラフラすんなよ」


「私は野良猫じゃないんですけど」


「飼い主が居るからな」


「真顔で言うの止めて下さい」


よしよしとばかりに大きな手に頭を撫でられる。嫌いじゃないけど…こうなんか恥ずかしい。


「そうじゃなくて、あんま他校のとこ行くなよ。俺はそれなりに用があって忙しいからな」


「わざわざ他校に行く用も無いと思うけど…」


しかし、少数でも他校から女子マネージャーが来るらしいので実はちょっと楽しみだったりする。


「念のためだ。鳳には牽制するよう言っといたが…」


「なぜにチョタ…ところで下ろして」


その台詞に抱き直されたかと思うと彼はそのまま部室へと歩き出した。


「偶にはワガママ聞いておくれよ」


「内容次第だな。俺から離れるのはナシだ」


結局、部室までのはそのまま運ばれたのだった。







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