とrendezvous



「蓮二の私服初めて見た」


「それは俺もだが…、1つ訊いても良いか?」


土曜日。精市に散々文句を言われながらも(へぇ、柳とデートかぁ。良いなぁ俺も行きたいなぁ?)(真田、精市が怖い…)(不純異性交遊などけしからん!)(えええぇ…)部員は蓮二のデータという武器の前に大人しく身を引いた。


「男に間違われないか?」


「髪が短い時はよく間違われたね」


デート感絶無のボーイッシュな服装の名前に、小さく彼は息をついた。















「やっぱミラは格好良いね!」


「ふむ、偶には洋画も良いな」


名前が以前から観たいと言っていた洋画は、彼女を満足させたらしい。柳自身は洋画にさほどこだわりはないが、なかなか楽しめたようだ。


「お腹空いた。マッ●行こうマ●ク!」


「構わないが、なんでそんなに嬉しそうなんだ?」


「蓮二とファーストフード店て組み合わせが見たい。行かなそうだし」


「確かに赤也達ほどは行かないが…、行ったことぐらいはあるぞ?」


「うわぁ絵的に似合わない」


「それを実践しようとするのか…」


最初は嫌がっていたが、今ではすっかり楽しんでいる名前にはデートをしているという感覚は無いのだろう。


「ささやかな感想だが、」


「ん?」


「子供みたいだな」


普段は仁王達を甘やかしているからそうは見えないが、今日は彼女も子供っぽい…というか年相応に外出を楽しんでいる。

映画が観たいとかプリクラを撮りたいとか(仁王達に妬まれそうだ)あちらに行きたいこちらに行きたい、と柳は結構振り回されている。


「や、だって蓮二なら甘やかしてくれるじゃん」


これが赤也とか雅治なら振り回されてたねと溜め息をつく彼女に、微笑を浮かべて頭を撫でた。


「そうか」


「てことでマ●クのあとはさっきの雑貨屋行こう。可愛いぬいぐるみがあった」



偶にはこんな日も悪くはないと、俺は彼女の後を追った。










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テーマ「人外ファンタジー」
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