続・厄介な君
「滅せよ数学」
「どうしてお前は物騒な言葉から会話を始めようとするんだ?」
「数学なんてさぁ、金勘定さえ出来れば良くない?それに今はケータイに電卓機能だってついてるんだよ?この式を証明することによって人類は何を得られるの?数学好きが達成感を得られるぐらいじゃねーか!」
「口が悪いのは頂けないな」
「あ、つい。ごめんなさい、数学への憎しみが溢れちゃった」
「だからこうして教えてるんだろう。…そこ、計算間違ってるぞ」
「あ、ホントだ。二乗すんの忘れてる」
「お前はケアレスミスが多いんだ。シンプルな答えになるのに途中で計算を間違えるから次に進めなくなる」
「うぐぐ」
「俺の消しゴムにシャーペンを刺すな。ほら、ここからやってみろ」
「数学得意な奴みんな暴発しろよー、こんなの出来るとか変態だ。まー君とか」
「仁王が変態かどうかはさて置き、俺は別に得意ではない。そもそも苦手教科がないだけだ」
「真田の打球が右目に当たって視力低下した蓮二が才気なんちゃらのほにゃららが使えるようになってしまえ!」
「曖昧過ぎるだろう。才気煥発の極みか?」
「なんかそんなの」
「しかもなんでお前がその話を知ってるんだ」
「なんか京都ふらふらしてたら背の高い…千歳?って人と仲良くなって」
「ふらふらと京都まで行ったのか」
「八つ橋美味しかった。あ、お土産は向こうで郵送したの今日届くから多分明日渡すよ」
「楽しみにしておく。あぁ、その計算は式をこうした方が解きやすいぞ」
「あ、なるほど!でけた!」
「謎の日本語を使うな。…ふむ、合ってるな」
「やった、これで明日の数学に…死角はない」
「どうしてお前は声真似だけは妙に上手いんだ?」
「多分特技。ふー、終わったぁ蓮二ありがとう!なんかお礼いる?」
「………なんでも良いのか?」
「可能な範囲なら」
「そうだな、なら帰りにデーt「柳先輩!助けて下さい!」……………赤也?」
「赤也じゃん久しぶり」
「あ、名前先輩久しぶりッス!」
「また英語の出来が悪かったの?」
「う゛。…柳先輩、教えて下s「断る」えぇ?!」
「あれ蓮二珍しい。私に数学教えたから疲れた?」
「…別にそうではないが、」
「柳生先輩は委員会でダメらしいんス!だから頼れるのは柳先輩しか…っ」
「私英語なら得意だよー」
「え?マジッスか?!」
「マジッス。やぎゅに教えてもらってるけど2年の範囲なら大丈夫」
「なら名前先輩教えて…「赤也、俺が教えてやる。ただし一回で覚えろよ?」…え、なんでいつにも増して鬼畜なんスか?」
「れんれん、どしたのー?」
(柳先輩の頬つつくとか名前先輩マジ勇者…ッ!)
「…なんでもない。俺はコイツをしごいてから帰るが、お前はどうする?」
「帰り1人じゃ寂しいから図書室で待ってる。…早く迎えに来てね、アデュー」
「名前先輩、声真似うまっ!」
「赤也、本来なら俺は今すぐにでも名前を迎えに行きたいわけだが…」
「…死ぬ気で頑張るッス(名前先輩絡むとマジこぇぇ!!)」
「良い心掛けだ」
(名前先輩に教えて欲しかっ…、いや後が怖いな)
「これですか?」
「あ、ありがとー取れなくて困ってたんだ。…ってあれ、やぎゅ委員会じゃなかったの?」
「今日は早くに終わったんですよ。そういえば切原君は…」
「蓮二に教えてもらってる。私はそれが終わるの待ち」
(切原君申し訳ありませんでした)
不機嫌全開であろう参謀に勉強を教えてもらっている赤也に、胸の中で十字を切った。