兵士とkiss(Z)





「………」


朝、目が覚めて思考が止まった。


茶色の長い髪は彼女のもので、それが俺の頭の横に広がっている。

すやすやと規則正しい寝息をたてているので、本当に寝ているのは分かるのだが。


上着を脱いだだけで、着替えてもいない。


「………」


確かミラベルは昨日、帰れないから先に寝ていろと言っていた。

彼女の仕事は忙しいので、そんなことはザラにある。

かと言って直ぐに寝るのも薄情だとなるべく起きていたが、日付が変わって“今日は帰ってこないな”と諦めて寝た。


「………」


そして、起きたら着替えもしてないミラベルが俺の布団で眠っていた。


(起こすのは、可哀想か)


仕事で疲れているであろう彼女が起きないように布団をかけ直して、俺は部屋を出た。





+++





「起きたのか」


「あ、おはよー」


時刻は13時。
おはようの時間はとっくに過ぎた。


「おそよう。…食べるか?」


もう起きる頃だろうと珈琲と軽い物を用意した。


「うん、ありがとう」


ミラベルは素直に受け取ると、いそいそとそれらを食べ始めた。















「…いつ帰って来たんだ?」


「覚えてない」


風呂から上がり、ドライヤーで髪を乾かすミラベルに問えばそんな答えが返ってきた。


「なんか先輩が彼女サンの誕生日だったのに残ろうとしてたから“私やっとくから早く帰れ”って言って仕事終わらせたら疲れちゃって」


「そうか」


彼女の言う“先輩”は、話を聞く限りかなり真面目で仕事の出来る人間でミラベルもよく世話になっているらしい。


ドライヤーのスイッチを切り、コンセントを抜いて壁にかける。


「ただいま、クラウド」


髪を乾かし終えると、いきなり抱きついてきた。


「おかえり」


風呂上がりの良い香りに鼻を擽らせながら、俺は抱き返して応えた。










「んぅ…、あ、」


「…ミラベル、」


寝室にて俺はミラベルを抱き締めて、可憐な唇を塞いでいた。


「ぁ…っ」


犯すように舌を絡ませて、逃がさない。
引こうとする頭を押さえれば、一層深くなるキス。


「はっ、」


口を離せば、彼女は酸素を求めた。


「クラウドって、悪質…」


赤面した顔を隠すように顔をうずめる姿を更に引き寄せ、距離を無くす。


「勝手に人の布団に不法侵入するよりはマシだ」


「ん、」


もう1度唇を合わせて、ゆっくりとその身を倒す。


「もう十分寝ただろうからな」



今日は、寝なくても良いな?との問いにミラベルは控えめに…けれど確かに頷いた。










とろけるようなキスをして











……………

title:確かに恋だった


地味にウォーリアのとリンクしてたり。フリオもだけど、いつの間にか繋がってしまうのです。











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