28:施錠厳命






「だーかーらー、何もしてないって!」


「嘘つけ!寝てるミラベルが傍に居て理性を保ってられる男がいるもんか!」


(俺は保ってられたが…)


そう思うスコールなど知らすに、ジタンはバッツを正座させお説教中。


「う゛〜」


「本当に何もされなかったかい?」


「よしよし大丈夫ッスよ」


ちなみに当の被害者ミラベルはセシルとティーダに守られている。


「女性の部屋に無断で入るどころか同衾までしただと?バッツ、覚悟は出来てるな」


今にも刃を抜きそうなウォーリアに、バッツは慌てて両手を振る。


「だから一緒には寝てたけど本当に何もしてないんだって!」


「ミラベルと一緒に寝ただけでも、十分に大罪だと思うが…」


「クラウド!」


ぽつりと呟いた言葉を遮るように騒ぐ。

ちなみに何となく嫌な予感を察したオニオンナイトとティナは退場している。


「いや、びっくりしたけど何にもなかったし…許してあげてよ」


ジタンとウォーリア、時々クラウドに責められるバッツは少し可哀想である。


「甘やかすなよミラベル!男は狼だぞ?」


(お前も男だろう)


「そうッスよ、キツく言っておかないとまた同じことがあるかも」


(お前はさっき羨ましがってたろうが)


実は結構色々なことを思っているスコールは相変わらずだが、それはともかく。


「でもすんなり入れたってことは、ミラベルは部屋の鍵をしめてなかったのかい?」


「え、いつもだけど…」


セシルの問いに当然の如く答えれば、その場の全員に妙な顔をされた。


「危機管理が足りない」


「ミラベル、これからは鍵をかけろ。2重ロックで」


「もうちょっと、自分のこと考えてみなよ…」


「馬鹿かお前は」


ウォーリア、フリオ、セシル、スコールに立て続けて言われた。


「え、いや…なんで?」


意味が分からず混乱。
彼女的には別に家の中なら構わないじゃないか、程度なのだが。


「ホラ、今回はミラベルも悪いって!」


「否定出来ないな」


「えぇっ?クラウド否定してよ」


「確かにレディの部屋に無断で入るのはアレだけど…」


「この場合仕方ないッスね」


「ジタンとティーダまで!」


はぁ、と溜め息までつかれた。


「いいか?とにかくこれから寝る時は部屋に鍵をかけろ」





えらく真剣な眼差しのウォーリアの言葉に、思わず素直に頷いた。









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