26:原因は不明のまま






あの後、全力のフレアを無効化された皇帝が周りに八つ当たりしそうだったのでジェクトはミラベルと共に夢の終わりに来ていた。


「あ」


「ん?」


いきなりミラベルが呟いたかと思えば、その身の周りに光が集まった。


「なんだ?!」


光は輝きを増し、眩しさに目を閉じた次の瞬間。


「あれ?ジェクトさん?」


聞き慣れた声が、困惑していた。


「お嬢ちゃん?!元に戻ったのか!」


「は、え?いや、なにが…えぇ?」


まったく状況を理解していないミラベルに苦笑しながら、ジェクトは言った。


「いや、俺も詳しくは知らねぇんだが…」















「任務完了だ」


「輝きの世界を!」


「ウボォーッ!」


連続で斬りつけられた後エンドオブハートが炸裂し、魔法の込められた剣で4連続で斬られたと思ったらブレイブブレイドでトドメが来る。

さよならマティウス、君のことは忘れない。


「それで、ミラベルはどこにいる?」


「答えた方が身のためだぜ〜?」


スコールのガンブレードと、わざわざスコールに合わせたバッツのガンブレードが喉元に突き立てられる。


「スコール、バッツ〜!」


その時、救世主が現れた。


「ミラベル?!元に戻ったのか!」


「無事みたいだな」


元の背丈になったミラベルと、その後ろにはジェクトがいた。


「んー、なんかよく分からないけど迷惑かけてたみたいでゴメンナサイ」


「小さくなってた時の記憶はねぇんだと」


皇帝の存在など一瞬で放置して、彼らはミラベルに寄った。


「迎えもいるみてーだし俺は帰るわ」


「あ、ジェクトさんありがとうございました!」


あっさりと帰ってしまったのは、スコール達が良い顔をしないからだろう。

それを察して礼を述べれば、片手を挙げて応えた。


「もう戻ったのか〜、もう少し遊んでやろーと思ったのに」


人の悪い笑みでバッツは言うが、スコールは興味無さげだ。


「無事なら良い。帰るぞ」


「うん。詳しい話訊きたいし」


ミラベルは急かすように彼らの前を歩き、2人もそれに続いた。















「あーっ、ミラベル!」


「元に戻ったのか」


帰れば、ジタンとウォーリアに出迎えられた。


「あんなに可愛かったのに」


「それは今の私が可愛くないと言うことかなジタン?」


少し残念そうな彼の頬を抓れば、違うって!と続けられた。


「せっかく俺より背が低くかったのにってハナシ。
まぁ、今も充分可愛イデデデデ…ッ!」


ミラベルは抓る指の力を強め、すぐに離す。


「真顔で言われるとハズい」


「ともかく、戻ってなによりだ。体調は大丈夫なのか?」


「うん全然平気!それより小さい私ってどんなだったか聞かせてよ」


「それなら、みんなが戻って来てからの方が良いな。なかなか面白いやり取りがあったぞ」


ウォーリアの言葉に、バッツがニヤリとした。


「そうそう、スコールが意外と…」


「その話はいいだろう」


スコールが微妙な表情で遮るのが気になって、私はバッツに尋ねた。


「え、なにその話?」


「実はな…、」





そうして、彼らは楽しげに笑っていた。













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