23:保護者組最強説






「かっわいい〜!」


「ティナ、俺も抱っこしたいッス!」


ティナの腕の中にいる子供を見て、真っ先に反対したのはジタンとティーダだった。


「…だれ?」


不安そうにティナを見上げるミラベルに、彼女は言う。


「大丈夫、悪い人じゃないよ」


促されて顔をあげれば、太陽のような笑みが映る。


「俺、ティーダ!よろしくな」


「てぃー、だ?」


舌っ足らずの口が発音する仕草ですら、可愛くて仕方ない。


「次、俺!」


「待てよ俺だって!」


ジタンとバッツは挙手して自己主張するが、ミラベルは困ったように首を傾げる。


「これで…、良いのか?」


小さくなったミラベルを愛でているだけで、説明なんてしてないだろ…と思っていたスコールなど知らずにフリオニールは言った。


「良いじゃないか、可愛いし」


その返事に、獅子は溜め息をついた。















「で・話を戻すが、」


改めてウォーリアは言った。


「原因があるはずだ。それが何か…」


ちなみに、真面目に頭を悩ませている彼らの傍でフリオニールにバッツ、ジタンとティーダはミラベルと戯れている。


「ふりお…?」


「あぁ、フリオニールだ」


「俺はのばらで良いと思うけどなー、長いし」


「ほーら遊んでやるぞ」


「あ!尻尾を使うなんてズルいッス!」


「「「……………」」」


その様子を見ていたウォーリアは起立し、セシルとクラウドがそれに倣った。


「閃光よ!」


「暗黒と共に!」


「吹き飛べ!」


(容赦ないな…)


打ち合わせでもしていたかのような連携に、スコールは内心で十字を切る。


「ねぇ、ミラベルは大丈夫なの…?」


盛大に顔をひきつらせたオニオンナイトの言葉にセシルは軽く返す。


「加減はしたし、もし怪我なんかさせてたら彼らを鍛え直さなきゃね」


「………」


間違いなく笑顔なのに、背筋が寒いのは風邪ではないと思う。


「セシル…お前な…っ!」


呻くようなバッツの腕には、まったく無傷のミラベルがいる…が。


「ふぇ…っ」


「わ、ミラベル泣くなって!」


いきなりの攻撃にびっくりしたミラベルがぐずる。

バッツとジタンがあやそうとするが、彼女は今にも泣きそうで…、


「ハァ…」


溜め息をつきながらミラベルを抱き上げたのは………スコールだった。


「大丈夫だから泣くな。俺達はお前に怪我なんかさせない」


「ん…」


不器用ながらも頭を撫でてやれば、小さな手は彼にしがみつく。


「それから武器は仕舞え。怯えるだろ」





意外な人物の意外な対応に、みんなが大人しく言うことを聞いた瞬間だった。









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