22:踏み出した足






「ミニマムを使った者、挙手」


朝一番から、コスモスの戦士達は集合して議会を開いていた。


「いや、ミラベルは魔法ダメージカット100%なんだから利かないだろ」


いたって真剣なウォーリアに、バッツは言った。



彼女の部屋から現れた幼子は、自らをミラベルと名乗った。

かなり幼くはあるが、確かに面影はあるし本人であろうとは直ぐに予測がついた。



が・魔法を無効化するミラベルがどうしてこんなことに。



「原因を探すより先にミラベルに俺達のことを説明してやるべきじゃないか?

ずっと部屋から出てこないぞ」


クラウドの提案に、ウォーリアは頷く。


「そうだな。魔法が利かないのにこんなことになった以上、直ぐに原因は見つからないだろう」


「あー、でもまた出て来てくれるかビミョーだよな。
滅茶苦茶警戒してたし」


ウォーリアとバッツに顔を合わせた後、彼女は部屋に引きこもってしまった。


誰?と聞くあたり記憶も幼い頃に戻ってしまったみたいだから、今のミラベルは混乱してることだろう。


「まずは部屋から出さないと…、誰が呼びに行く?」


オニオンナイトに初めに返したのは、フリオニールだった。


「ティナが良いんじゃないか?同性だし、ウォーリアやバッツよりは安心出来そうだ」


バッツはともかく、ウォーリアは甲冑装備な上決して愛想が良いとは言えない。


「頼めるか?」


反対する理由もないし、満場一致の意見のようだ。


「うん、やってみる」


「あ!なら俺も〜」


小さいミラベルを早く見たい気持ちからジタンは挙手するが、バッツに制される。


「お前も此処で待機だよ」


「ちぇー」


拗ねたように口を尖らせるジタンを見て、ティナはミラベルの部屋へ向かった。















「ミラベル?」


「………」


小さくノックをして呼んでも、返事はこない。


「お願い、ここを開けて」


なるべく優しい声で言えば、少しだけ開かれる扉。


「!」


不安げに自分を見上げる子供の可愛さに胸が踊る…が、今はそんな場合じゃない。


「ありがとう。私、ティナ」


屈んで視線を合わせれば、その子は確かめるように言う。


「てぃ、な?」


「そう。お話ししたいことがあるから、一緒に来てくれる?」


「………」


ミラベルは少しだけ悩んだようだが、小さな足で部屋から出た。


「ありがとう」


ティナは微笑んで、その体を抱き上げた。













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