21:それは爽やかな朝のこと




普段のミラベルは、規則正しい生活を送っている。

最近は不調故に寝ていることも多いが、朝はだいたい変わらない時間に起きてくる。

それでも、ごく偶に寝坊する時は誰が起こしに行く。



今日はそれがウォーリアだった。



「ミラベル?朝だぞ」


軽くノックをしても返事がない。


「ミラベル?」


再度名前を呼ぶが、返事がない。


何事かあったか、とは思うが敵襲の気配は無かった。

やっと元気になったー!とかはしゃいでいたから、体調不良は考えにくい。


まだ寝ていたとしても、いつもはノックに敏感に起きるのだが…。


(…女性の部屋に無断で入るわけにもいかないな)


バッツやジタンやティーダなんかは結構無断で入っているが、その点彼は真面目だった。


「どうしたんだ?ミラベルの部屋の前で」


どうしようかと悩んだ所に、バッツが現れた。


「バッツ。いや、ミラベルが起きてこなくてな」


「ミラベルが?

おーい起きろー!朝飯食いっぱぐれるぞー!」


ウォーリアの時より手荒く扉を叩けば、ゆっくりと扉が開く。


「なんだ、起きてるなら返事ぐらい…」


「!」


部屋から出て来た人物に、2人は揃って目を丸くした。


「だぁれ…?」










其処には、小さな幼子が小首を傾げて立っていた。













[ 40/63 ]

back





「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -