小咄


;) Another×Candy #05





「あーホンマかわええ。飼いたいんやけど、ちょっと首輪とか付けてもええ?」


「白石が手錠と目隠し付けて独房に入ってくれるなら考える余地を作ってあげよう」


「マニアックな趣味やなぁ。せやけどそれなら俺がするんやなくて…「五月蝿い黙れ私にそんな変質的な趣味なんか無い」


今なら忍足に抱き上げられても右ストレート一発で許せる。(※普段は五発)

この白石という男…もしや忍足より変態かもしれない。自分の変態度を隠さないあたりが。


「芥川クンはええなぁ。こないな柔らかい抱き枕と寝れるんやろ?一回ぐらい俺と一緒に寝てくれたってええんとちゃう?」


「いやもう本当に離して下さい泣きそうなぐらい鳥肌立ってるんですけど」


「泣き顔もそそるんやろうなぁ」


「お医者様はおりませんかーっ!」


正面から抱きしめられ、髪に鼻を埋められている。匂いフェチらしい。だから何だ離して欲しい。


「なんか跡部クンにやるんは癪やな。俺のにならん?満足させたるで?」


「現状に不満しかないからお断りします」


「その口、塞ぎたなるなぁ」


「耳元で喋るな!なんか拒絶反応する!」


腰をきつく抱かれ、頭を抑えられる。え?本格的に絶体絶命?逃げらんな…とか考えながら体が動く。

引いてダメなら、押してみよう…と、額を彼の顎にぶつければクリティカルヒットしたらしい。拘束が緩んだ隙に逃げ出す。


「あ、先輩!どこに行って」


偶然扉の前を通った長太郎にしがみつく。


「え?あの…」


ぎゅうううっと抱きしめると、幼児をあやすように頭を撫でられる。


それが、酷く安心できた。



……………


白石を格好良くするか変態にするかはしょっちゅう悩みます。