小咄


;) Another×Candy #04




それは、保健室に入った瞬間に始まった。


「うっわ、何で偶然遭遇したら迷わず逮捕したくなる男ぶっちぎりにして不動のNO.1忍足が此処に存在している…だけで飽きたらず呼吸までして地球上の酸素を無駄に消費し二酸化炭素を無駄に排出してるの?無駄ばっかりで白石に消されちゃう」


「うっかり遭遇した割にはそれだけの言葉のナイフを噛まずにスラッと言えるんはどうゆうわけなん?そしてなんで白石のこと知っとんねん」


「常日頃から対忍足用の言葉のナイフを脳内でスタンバイさせてるから」


「そんな常日頃から俺のこと考えてくれてたんか。なんややっぱりツンデレかいな」


「………」


「……………上目遣いのはずやのに全力を出して俺を凹ませるって何事や」


体育で華麗なスライディングを決めた私の膝は予想通り流血沙汰である。
このままに出来るはずもなく保健室に向かったら伊達眼鏡に定評のある忍足が居た。


「今は保険医おらん…って、何やその膝。手当てしたるから椅子に座り」


「華麗にヘッドスライディングを決めた代償。ていうか自分でやるから良い。忍足やだ怖い」


「一応医者の息子なんやけど。せやから保険医が俺に留守頼んだんやけど。そして女子がヘッドスライディングとか初めて聞いたんやけど」


「亮にも言われたよ。…いや、忍足に足の怪我任せるのが怖い。具体的には忍足に足を触られたくない」


「いくら足フェチ言うても怪我人に手は出さんわ。早よ治療せんと悪化するで」


「大変遺憾である…っ!!」


そうは言いつつも椅子に座って足を出せば、消毒される。しみて痛いが、我慢出来ないわけでもない。


「そないな本気で凹まれると侑クンのガラスのハート粉砕するんやけど」


「なんか手慣れてる嫌だ屈辱だ」


「そろそろ泣くで?」


傷口が広いので、ガーゼを貼られる。


「他は?」


「手も擦りむいた」


「もうヘッドスライディングなんかしたらアカンで」


「はーい」


手の方は大したことはないが、一カ所血が出ていたところに絆創膏を貼ってもらった。


「また跡部に何か言われるで。ただでさえ過保護なんやから」


「忍足に足を触られましたと伝えよう」


「まさか恩を核ミサイルで返される日が来るとは思わんかった…」


「冗談だよ。ありがとう忍足、体育に戻るね!」


「その足でまだやるんかい。気ぃつけるんやで」


「うん、じゃあね。また怪我したらよろしく!」


「俺の忠告は完全に無視なんやな」


最後まで聞かずに、私は保健室を出た。



……………


Fruits×Candyの15話を間違って消してしまったのが…もうね。勢いだけで忍足に八つ当たり。