「ぐあぁ…っ」「くそっ…ぐふっ」



失望 その言葉しか浮かばぬ程の相手だった。


冷めた目で消えゆく命を見届ける。こいつ等に喰らわせた毒は通常の10倍濃くしてある。三分もあれば充分だろう。


暁を名乗るくらいだからどれ程の手練れかと思えば…これならいつものように時間をかけて殺してやれば良かった。


「おの、れ…暁」


まだ一人が崩れそうな膝を必死に踏ん張り目の前で何か言っている。

こいつも時間の問題だ。端から見れば仲間殺しとも言える光景の中で、空気が重く張り詰めている。どんな理由で暁の名前を使っていたのかは知らないが、俺達の耳に入ったのが運の尽きだ。


もう楽になれ。そう呟いた瞬間、目の前からクナイが飛んできた。
尾で防ぎその方向にいる主の息の音を止める。

最後の力を振り絞ったその忍は、今度こそ膝から崩れ落ち 口の端から泡を吹き始めた。


「がはっ…!永…良さ、ま…たずけぇ…」


どさりと顔面から地面に突っ伏した。

絶命した男を暫く見つめる。
『…?誰だ…』


こいつらに指示した奴…?


その時、俺は嫌な予感が拡がるのを感じた。




あの餓鬼はちゃんと真面目に片付けているだろうか。
また芸術云々で余計な時間をかけてたら殺してやる。



そんなことを思いながら、サソリは目的地へと向かった。



きっとこの任務は、思っていたより面倒臭いことになりそうだ。







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