いつか貴方を私のものに

ズガガガガガガガガ!!




何処からともなく銃声が聞こえた。
かと思えば車のフロントガラスが蜂の巣状態になった。
勢い良く放たれる銃弾がガラスを割り、銃弾が貫通する度に破片が飛び散る。
黒ずくめの男二人はそれを見て驚いた。



「うわっ!?」



瞬く間もなく、目の前に誰かが飛び込んできた。
影になっていてよく見えないが、右手の五本の指先をフロントガラスに向けたかと思えば指先から銃弾が発射されるのが確認できた。
蜂の巣状態になった窓ガラスには、更なる風穴が開けられる。

その人物はボンネットの上に乗り込む。
ボンネットの上に乗り込んだ衝撃で車に揺れが生じ、並の人間が乗っても凹まない筈のボンネットが凹んだ。
それを見て私は、この人は普通の人間じゃない。いや、あるいは最早人間ですらないのかもしれないと思った。
彼は、運転席の男に右手を突き付けた。
人間の物とは思えない、機械的な乾いた音がカチャリと聞こえた。
運転席の男は小さく悲鳴を漏らして硬直する。

私はその姿を見て目を見開いた。
長く靡く黄色いマフラー、赤い防護服、銀の髪。
瞳のない白眼は冷たくこちらを見ていて表情が読み取れない。
鋼鉄の右手の五本の指先は銃口になっていて、そこから人間らしさは不思議なくらい感じられない。

だが、これだけはハッキリとわかる。




この人は、私を助けてくれる…!





銃口を突き付けられた男性は顳に冷や汗を浮かべて言った。



「お、お前は…………004!アルベルト・ハインリヒ……!!」

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