ぐちゃり、と革の手袋を纏ったままの指先に粘着質な音を立てて限界を訴える陰茎を擦り上げられ不自然に力の入った太股が震える。本来異物を受け入れるためには出来ていない筈の後孔はすっかり綻び、規格外なんてものじゃない男の剛直を受け入れ柔く締め付けていた。汗に塗れた背にぴったりと密着する男の肌が酷く心地良い。
いったいどれだけの時間が経ったのだろう。時間の感覚などとうに狂ってしまっていて、そもそもこの部屋に連れ込まれたのが何時頃だったのかすらも覚えてはいない。少なくとも気が遠くなる程の回数絶頂に追い込まれ、ただの一度も吐き出す事を許されずに嬲られて続けていることだけは確かだった。まるでダダを捏ねるガキのように泣きじゃくって懇願しても、脳髄ごと犯すように耳元で囁かれる言葉は決して優しくはならない。声だけは溶けてしまうんじゃないだろうかと思う程に優しいくせに、だ。
「く、ま…ッ!くま、も…頼む、から…ァ…ッ!」
「…まだ、だ。ドフラミンゴ」
いっそ気を失ってしまえたら楽だろうに、とドフラミンゴは思う。過ぎた快楽は苦痛でしかないと言うが、まさか身を持って思い知ることになるとは全く予想だにしていなかった。痛みなどほとんど存在しない、ともすればぐずぐずと全身が溶けて崩れてしまいそうな快感。ずりずりと内臓を擦り上げられる圧迫感は呼吸を奪い、酸素の足りない脳味噌は余計に快楽以外の感覚を鈍くした。
もはや噛み締める事も叶わない唇から思わず漏れた助けを求める声は、耳朶を擽る笑みを含んだ吐息に一蹴される。名前を呼ばれただけで張りつめた陰茎は限界を訴えた。びくびくと震え解放を求めているというのにきつく根元を締め付ける鈍い銀色のリングの所為でまた叶わず、決壊した涙線がぼろぼろと涙を零した。
「ア…!ひ、いや、だ…ッ、くま、くま…!」
「まだだ、と言っているだろう。安心しろ、まだ壊しはしない」
不意にぞろりと耳たぶを舐められ、背筋が震える。身体中が酷く敏感になってるようで、その事実に更に追い詰められる。いったいいつになったら解放されるのかもわからないまま、余裕など微塵も残されてはいなかった。無様に首を横に振る。しかしそれで解放してくれるほど、背後の男は優しくはない。そんなことは分かっていても、せずにはいられないのだ。






やまなしおちなしいみなし。
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