あの後、何故かリリーを交えてレイブンクローのみんなとパーティーをした。

勝った訳じゃないんだけどな…
「負けたら盛大に残念だったねパーティーするって言ってたでしょ!」
とチェイサーの女の子に言われたけど、盛大な残念だったねパーティー……




あまり嬉しくない。




『それからリリーは何を馴染んでるの?』


得意の妖精の呪文でテーブルの飾り付けをしているリリー。

なんだかすごく馴染んでる。


「レイブンクローっていいわね!…あ、ミスターエドワード。こっち手伝って貰えるかしら?」

「もっ勿論!!」


エドワード君は真っ赤になってるし。でも残念。あの子にはジェームズがいるんだよ。

リリーは分かってないようだけどね、そろそろ自覚したのかもね。
レイブンクローの男子が普段は高嶺の花で近づけないリリーに群れる様子を見て、わたしはため息をついた。



*



「パーティー楽しかったわね!」

『ソウデスネー』

「…棒読みじゃない」

『だってリリーいつまでいるの?』

「……今日は貴女のベッドで寝るわ」


なんてこった。

言いながらわたしのベッドへ潜り込んできたリリー。
ネグリジェを持参している事から、確信犯だと窺える。


『…せまい。』

「たまにはいいじゃない。お泊まり会ってしてみたかったのよね!」


そうだね。同室の女の子達はランデブーしに行っちゃったもんね。

部屋にはわたしとリリーの二人という寂しい状態だもんね。


「『……リア充爆発しろ。』」


二人同時に顔を見合わせて笑ってしまった。

でもいいよねー好きな男の子の為に一生懸命かわいくする女の子って本当に可愛いよね。
きっとチェイサーのあの子も今頃『必要の部屋』でデートを楽しんでるんだろうな。

……あぁ羨ましい。


『――…それはともかく、リリーはどうしてレイブンクローに来たの?』

「……………」

『……ついに分かったんでしょー?』


枕に伏せているリリーにこちょこちょを仕掛けて顔を(半ば無理やり)起こさせると、案の定顔が真っ赤だった。

いつもお姉さんなリリーも本当はただの女の子。
ジェームズとなんかあった?
聞けば大きな瞳を潤ませて、わたしを見つめてくる。


「わたし、ジェーm…ポッターが」

『リリー…?』


呼びたいたら素直に呼びなよ。

そんな意味を込めて微笑むと、リリーは恥ずかしそうに言い直した。


「…ジェームズの、事、がす、すきみたい……」

『だろうね。』

「だろうねって!!」


だって分かってたもの。

一方的にジェームズが(ちょっと気持ち悪い)愛を語ってるようだけど、本当はちゃんと想い合っていること。

きっと当事者の二人以外はみんな知ってるよ。


「でも!でも!本当に嫌いだったの!…だからいつも冷たくしてたけど…それが癖になってるんだもん!!…もう同じ空間にいるだけで恥ずかしくてどうかなっちゃいそう!」

『ジェームズはどんなリリーも好きだと思うけどね、素直になったらいいんだよ。リリーの本当の気持ち伝えたら?』

「本当の、気持ち…?」


本当にまじで恋する乙女だな。

今までの自分を思い出して顔を覆ってるリリーは堪らなく可愛いけど。

親友としては早く幸せになって欲しいと思ったり。


「そんなの今更じゃない…?」

『ふふふ。可愛いけどね、そんなウジウジしてるのなんて、らしくないよ!』

「………そう、かも。確かに、わたしらしくないわよね!」

『今度のホグズミードに誘ってみたら?』

「…そうしてみる!」


わたしに相談役が務まったかは微妙だけど、リリーはどうやら決心がついたらしい。

不器用だけどそんな所が可愛いわたしの親友です。


この辺でわたしは限界がきて、寝る体制に入り始めた。

だけどリリーは、




「それよりナマエ!あなたリーマスとはどうなってるのよ!?」







…………どうやら今夜は寝かせて貰えなさそうです。








女の子+女の子→朝まで寝れない

(…どうも、なってないもん…)
(いっそナマエから行けばいいのよ!)
(あ、そういえば……)







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