「へえ〜…じゃあこの一週間ずっとリーマスに練習付き合ってもらってたのね」

『うん…』

「でもリーマスって優しいわねえ。自分も課題やならんやらで忙しそうだったのにねえ」

『まあね。スパルタ過ぎて死にかけた事とかもう記憶から消してるしね』

「それで、明日の試合だいじょうぶなの?」

『たぶん!』

「……心配ね…」


リリーとの昨日の会話がよみがえる。

ああやばい…!お腹いたい胃がキリキリしてきたァアアアアアア。


ただいまクディッチ開始30分前。
緊張をほぐす為にも、一足お先に着替えて自主練というか、ストレッチ的なものをしようとわたしはスタジアム横の林に行くことにした。



***



『あ…!』


林に行くとたくさんの見慣れた顔。


「ナマエっ!大丈夫??しんどくない!?体調はどう!?」


息つく暇を与えてもらえずリリー。


『大丈夫だよ……』

「顔色が良くないけど?」


そう言ってぬうっと現れたのはリーマス。


『…まあ緊張してるし?』


それからようやく主役の2人。
グリフィンドールの深紅のユニホームに身を包んだ2人がやってきた


「やあ。調子はどうだい?」

「まあ負ける気はしないけどね」

「「しね。」」

「えっちょ、酷くない?」


爽やかなポッター君に続いたシリウスは仲間であるはずの2人に制裁をされていた。

自業自得だよどんまい。

ポッター君の爽やかさを見習え、とか思ったけど、すぐにリリーに愛を叫び始めたのでやっぱり残念な爽やかさだと思った。


「――それよりシーカーって危なくない?ナマエケガとかしないかしら?」


リリー心配してくれるのは嬉しいけど、これでも選手だもん。ちゃんと覚悟してるよ。

安心させるように言おうとしたら、


「大丈夫だよ。ナマエにケガなんてさせたら許さないからね」


………………

リーマスの一言で気温が氷点下まで下がった気がしたそんな試合直前の出来事。








いつだって仲間が

(じぇ、ジェームズ…)
(やばいなこれは……)

(ケガさせないように手加減とか気にしなきゃな…)







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