部室に入ろうと、ドアノブに手をかけた瞬間―――


「英語はー外!!!」


バカ極まりない声が耳に入った。



*



部室には案の定、おばかな同級生赤也が、豆をもって仁王立ちしていた。


「ちょっと赤也ー。『鬼は外』だから!そんなんで英語の補習はどっか行きません!」

「なーんだ赤也のやつ、また赤点とったのかよ?」

「あ、丸井先輩。そうなんですよー赤也バカ也だから」

「うるせえっ!」

「っいったあ!!」


赤也に手に持っていた豆を全力で投げられた。
ちょ、手加減しろよ運動部!!


「やったなこのバカ也!豆は鬼に向かって投げなさいよ!」

「いってぇ!お前こそ鬼に向かって投げろ、よっと!」

「いったあー!ちょっとは手加減してよねっ!」

「何なにおもしろそーじゃん。おれも参加っと」

「ギャァ!なにするんスか丸井先輩!」

「おれはマネージャーに加勢するぜぃ」

「さっすが丸井先輩!だいすき!」

「だろぃ?」

「って言ったそばからわたしの分の豆食べないでくださいよ!投げる分が減る!!」

「まあまあそう言わずに食えって。ウメェぜこの豆!」

「この人戦力になんねえ…。あ!仁王先輩!加勢プリーズ!」

「チッしょうがないのう…」

「あーっ仁王先輩までも味方につけるとか卑怯だぞ!こっちは…、あ!ジャッカル先輩!カモーン!」

「ったくしょうがねぇなあ…」


こうして始まった豆合戦はどんどん激しいものとなり。
部室の底には豆があふれ出した。


……ん?

わたし達、なにか大事なことを忘れてるような……



「―――やあみんな。薄汚いみんなにピッタリの部室になったようだね」


ガチャリと扉が開いて。
入ってきた男の声に、みんなピタリと動きが止まった。


「ゆゆゆゆ幸村っ!これには深いワケがあって…!」
「そうなんじゃこの後輩共が…」
「ちょっと仁王先輩かわいい後輩を売るつもりっスか!?」
「そうですよ!そもそもは赤也がっ」
「お前もかよ!つーかブン太先輩いつまで豆食ってんスか!?」
「ふぁふぁふぃふぉふぉふゅ?」
「なに言ってるかわかんねーし!」


そんなわたし達の必死の弁明は、幸村部長の笑い声にあっさり遮られた。


「ふふふふふ。楽しそうだねみんな。だけど、」


幸村部長の後ろにいた真田先輩と柳先輩がずぃ、と前に出る。


「どうせなら、三つ巴のほうがおもしろいと思わないかい?」




ひぃああぁあああああぁああああああああああ!!!!

三強をのぞく、みんなの悲鳴が立海テニス部部室にこだました。






みんな動きが悪すぎるよ^^
(その後、傷だらけで部室の後片付けにあたったわたし達は、)(二度と部室で遊ばないと胸に誓った)
















長い!グダグダすぎる!
立海っこみんな可愛いです。グレーな幸村くん愛してます。






2012/02/03 14:49
top



「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -