アナタが世界でボクが色。 | ナノ


球技大会



「僕はチアやるのぉ」


「え。そんなのあるの?」

「コネだけはあるのっ」

「ほえー」

「いろちゃんは何やるの?」

「あ。ドッチボール?」

「やるもんじゃねーよあれは」

「うるさいな。やったことない?」

「あ、うん。でもさっき説明は聞いたから大丈夫。いっくんはサッカーだって!かっこいい」

「それは聞いてないけど」



そんなわけで、球技大会ゴー!!




くぅちゃんはお目当ての先輩がいるとかで、ルンルンで行ってしまった。
因みにチアガールの格好で。
スカート短いー似合ってるー

と、考えて居たらすぐ後ろで声が

「俺らはコート半々で使うから藍川サマあっちなー。んじゃ」


「はーい」


オレは言われた通り、ドッチボールの集まりに行った。
ルール説明のあと、クラス別にわかれる。

ピー!!

始まりの合図だ。


足手まといにならないように!


「わぁ」「わっ」「えっ」


ボールがくる。なんか狙われてない!?


「あっ!藍川様!危ない!」


クラスメイトの声がした瞬間だった。


バン!

ブラックアウトしながら見えたのは、向こう側から走って来た、いっくんだった。


「白いここは?」

目覚めた時には何故か、白い部屋だった。


「よ。軽い熱中症らしいぜー。」

「いっくん。」


「あのドッチボール藍川サマ狙われてたな。たぶん相良サマの特別待遇を一緒に受けてるやっかみだと見たね。」


「いっくん」

「なんだよ」

「ありがとね」

「は?ーーー「いーろーちゃーん!!!!!!大丈夫!?!!はぁはぁ
痛いとこない??」


ガラッと勢いよく扉があき、チアの服を振り乱したくぅちゃんの姿。


「大丈夫だよ?」


「よかぁったぁ。大体ね、三島くんがもっとちゃんと見てないから」

と、またふたりの攻防戦が始まる。
ふふっと笑ってしまった。









「でも、妙だな。この学園に藍川サマ狙える奴なんて」

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