いざ先輩探しへ
くぅちゃんによると、噴水近くの森の広場はあまり人が来ない。
というかある人物の為のお昼寝スポットだとか。
それが迷子の時助けてくれた瓜生亮介先輩である。
因みに親衛隊あり。
気をつけた方が良いのは、彼がF組という事。棟が違って、裏社会の息子や不良生徒中心な自由気ままな人が多いという。
「それって、流君じゃ・・・いやいや流君S組だからね!」
自分で納得しながら、地図を見る。
これもくぅちゃんが教えてくれたもので。学園地図アプリというものらしい。
スマホで現在地がわかり、目的地の場所までルート案内してくれる。画期的なものだ。この学園がいかに広いかがわかる。
「まぁ行っても会えないと思うけどぉ、危ないし。んーまぁ、いろちゃんなら大丈夫かな!!頑張って!僕はもうちょっとここで構って貰うから!」
と言った感じで別れた。
ん?いろちゃん?
そんなこんなで
やっとついた。
棟は意外と綺麗だった。
とりあえず入って見ると、着崩した数人が通り過ぎる。頭の色もカラフルだ。
な、なんか凄い、、、。
オレは空気、空気、と階段までやってきた。というのも、棟に入ってしまえば直ぐ横に階段があったからだ。よかったよかった。階段にはあまりひとはたむろって居らず、何とかなりそう。
「の、のぼるぞっ。」
意気込みは良かったと思う。
10段くらい上がって、息切れした。泣きたい。
エレベーター探せば良かったぁあ。
いやいや、ちょっとは動かないと流君帰って来てからじゃ遅いんだぞっ自分!
うんうん。
はぁはぁ言いながら三年生のかいに着いた。
「す、すごいオレ頑張った!」
とりあえず、隅っこに寄りかかりガッツポーズ。
「コイツ相良とかいう危ない奴と常に一緒に居たっすよ」
ピアスをジャラジャラした、金髪が伊呂波を見つけやって来た。
「あー・・・Fクラスの喧嘩っ早い子が挑みに行ってー喧嘩せずに帰って来たよねー。風紀も何も言えないって噂だし」
金髪の人が目線を合わせてくるのを焦っていたら、後ろから明るい茶髪の人が間伸びした声で言ってきた。
「俺達珍しいもんにあってるー?はーいおててー!」
伊呂波の手をブンブンと振り回す茶髪の人に目が回る。
「はわわー」
なんか喧嘩売られなくて良かったけど、これはこれでどうなのー!!
「んで?お一人でない何しに来たの?」
「あの。えっと、瓜生先輩に用事があって、」
瓜生先輩の名前を聞いた瞬間、2人の目つきが少し変わる。
「君さぁ亮介のなに?知り合い?友達?」
「亮介さんに限ってこんなちんちくりんなガキと友達なはず無いっすよ」
「ちんちくりん・・・?」
とも、だちなのかな
知り合い?
どこからが友達なのかがわからない。
物語やなんかで、この前のオレのように主人公が道に迷っているのを助けた人物が、その後仲間になったり友達になったりしていたがコレはそれに当てはまるか甚だ疑問である。
普通に仲良ければ友達って事なの?
あの時先輩とは仲良く?喋っていたし、どうなんだろう?
これまでの交流といったら昔良く喋っていた銀君とも仲良いけど、結局はオレの世話係でしかない。
他にも日向さん達がいるけどそれもなぁ
んー・・・う
とりあえず、あれだ。
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