アナタが世界でボクが色。 | ナノ






「何なに!?この可愛い生き物ー!!僕の次くらいに可愛いっ!可愛い!飼いたいっ!」


「ふぇ!?」

そう言ったくぅちゃんこと小沼來未は、だらんとした腕を持ち上げてわしゃわしゃと頭を撫でくりまわして来た。

肌ももっちもちー!と擦り寄ってくるくぅちゃん。

「僕ね。親衛隊の隊長してるんだけどぉ、この頃生徒会の皆様は構ってくれないし、僕はアイツに連れ回されて会長様とイチャイチャ睨まれるくらいなのぉ」


先程までの儚い花のような姿から一転、彼はまのびした口調にずんずんと強引な態度のギャップに少しついていくなくなる。
親衛隊の隊長ってカッコいい!

「だ、だからこんな事したんです?」

「気に入ったからぁタメ口でいいよ」

「ぇ、あ、、、うん。」

「ここでこんな事してるとねー、絶対僕を必死で褒めて構ってくれるの」

「構ってくれる?」

「うん。僕ってこんなに可愛いでしょ?
みんな必死にとめてくれるわけ」


「ぅん!可愛いーっ」

「ふふ!でしょ?まぁでもこんなに自分に素直な人初めて見たかもかもぉ!天然もの?」

なんか同じようや台詞を前言われた気がする、、、、

「あ、それと、アイツって??」

「え?知らないの?」

「?」

「黒くてマリモみたいな転入生だよぉっ!あの大きな声どうにかなんないの!?」

ん?

「あ、綾瀬って子?」


「そう!『色々知らないから親衛隊なんかやるんだ!俺が來未を変えてやる!』って宣言して、この僕をあろう事か連れ回したのぉ!生徒会と風紀までメロメロでぇ、近くにいる僕が嫌味言われるわけぇ!あんなに働いてやったのにぃ!」

「た、大変だったねっ」

「わぁい。藍川様って落ち着く!」

再度ギュッと抱きしめられる。


うん。可愛い。

「愚痴聞いてくれてありがとうー!そういえばぁ、藍川様もなにか言ってたけどどうしたの?」

「あっ、えとF組の三年生の教室に行きたいんですけどっ」

「タメ口」

「あ、うんっ」

「誰かぁ探してるのぉ?」

森の広場で寝ていた時の事を話す。

「それって瓜生亮介先輩かも」




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