アナタが世界でボクが色。 | ナノ


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「普通止めるでしょ!!」


「う?え?、あなたは死んじゃいいけない人なのですか?」


「は?」

「へっ、、、あわぁ、ごめんなさ!オレ、悪い事言いましたかっ?」


「悪いもなにも?!こんな可愛くて天使な僕が涙を流しこの世から飛び立とうとしてるんだよ?!」

急に発狂し出したひと。
あ、う、もしかしたら、流君に関わる重役の方でオレ試されてるのかも!?絶対そう!そんな気がして来た!


「ふ、あははははっ」

あれ、笑ってらっしゃる。


「藍川様最高!!こぉんなに面白い人だったんですね!!」

面白い、とは?



「僕、小沼來未っていうの。ていうか心の声がさっきからでてるし」


ガシガシとフェンスを軽く登ってこちら側に降りた彼は、自分を小沼來未と名乗った。

くみさんかぁ

うん。綺麗なお名前。
フェンス越しだったお顔がはっきり見える。

じっ・・・

長いまつ毛に大きな瞳、ぷるんとした唇。
美少女のようなその姿に思わず、

「可愛い」

「え?」

「かわいー!!」

お人形さんみたいーっ!


「くぅちゃん!!」

「は。」

「ぎゅって、・・・ぎゅってしいい?ですか?!」

両手を前にだして勢いよく詰め寄ると、相手は勢いにおされたのかこくりと返事を返す。

「わぁ!・・・お人形さんっ!」

優しくぎゅっと包んで、くりくりの髪を崩さないようにゆっくりゆっくり撫でた。

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