アナタが世界でボクが色。 | ナノ


トモダチランク上がり!



「え…意外!何なに意外!自炊?手作り?いつも?毎日?」



凝視して質問してくるいっくんの迫力は一種の怖さがある。

只今教室にていっくんとランチタイム中。

前まであんなに無関心だったのに、何故かとても興味を持たれている不思議。

居たたまれずに視線を彷徨わせながら頷く。

いっくんは購買から買ってきたと思われるサンドイッチを頬張り、固まった。


「て、事は相良サマがいつも食べているのが、愛妻弁当…だと?恋人とのラブラブランチタイム……くっそ盲点だった…!…くふは。いやいや!俺は浮気しない!今は王道が最重要任務だろ俺!」

お弁当って、前にも言ったような…まぁいっか


今日もチラチラとクラスメイトから視線が刺さってきたが、席が後ろで視界に入らないせいかあまり気にならなくなった。

今日はやることがあるのだ。いっくんに向き直り話そうとすると、同時に携帯の着信音がなった。
自分のじゃない。


一応確認すると、遅れていっくんが電話を耳に当てた。

「ハロハローどしたーなんか進展あり?」


もぐもぐと咀嚼しながらのんびりこたえているいっくんの目が輝きだした。

「は!?広場にて王道展開が繰り広げられてる?!」

会長と転入生のキス展開見逃すなかれ!!とブツブツ呟いているいっくんはすたっと立ち上がった。


「藍川サマ!俺、行くわ!次は物理だから!じゃ!」


颯爽と去っていったいっくんを呆然としながら見送って、ちょうど良いかと思いながらお弁当ん片付けて立つ。

自分的に早く訪ねに行くつもりだったのだけれど、まだ治りかけな足で行ったら無駄な心配を掛けさせかねない
そう思って数日で治った足首を一度クルリと回して頷く。

痛くない。
これで今日は先輩のとこにお礼を言いに行けそう。

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