アナタが世界でボクが色。 | ナノ


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お留しゅ番って…なに
お留しゅ番って!







思わず顔が真っ赤になるのを感じながら視線を彷徨わせている。
そんな中、「本物の天然って初めて見たわ」と爆笑中の先生。

その間に何度も「お留守番ですっ」と訂正しても更にお腹を抱えて笑うから、更に顔が熱くなった。
そんなに
笑わなくてもいいのに…。

「あー笑った。
まぁ、何でもいいが俺に迷惑掛けない程度で学園生活エンジョイしな」


また歩き出す牧野先生に一応返事を返した。

ぅあ…恥ずかしかった。
でも、なんかさっきので緊張ほぐれた気がするのは気のせい…?

職員室前で待たされると、一枚のプリントと小さな包みを渡されてた。
なんだろー?と首を傾げてると「明日から教室で」と言われて回れ右させられる。

「ぁっ、あのっ…え」

「もう授業もほぼないし、足痛いみてーだから今日は帰っとけ」

慌てて振り返ってみたら、ガラリと職員室のドアは閉まっていた。


「初教室、断念なのかぁ…」

…しゅん。

でも、なんかいい人なのかも。良かったぁ。













こうして
流君の居ない初登校は終わりを告げたのである。
まぁ、教室自体は入ってないんだけど…。
なんか、色々有りすぎて疲れたけど楽しくやれそうなの、かな?
一番不安だった、人との会話だってスムーズ……
スムーズに出来たし!
目も見れた、気がする。

オレは廊下の真ん中で、そんな事を考えながら横の窓へと視線を移して、ぎゅっと拳を作る。

流君!
オレ、何とかやって行けそうです。頑張るよ!


明日も遅刻しないように早めに起きよう。

うん!

そう力強く意気込んで、るんるんで一歩前へと足を踏み出して、気がつく。

















寮の帰り方わからない……。


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